今こそリレーションシップ・バンキングを!!

経営

この度の東北地方太平洋沖地震で被害をうけられた、多数の犠牲者、被害者の方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。

今年の3月に日本を襲った未曾有の大災害は、これまでに誰もみたことも体験したこともない被害を及ぼすとともに、その後も復旧作業を阻むかのように原発事故が発生し、計画停電が実施される等、日本の経済活動はおろか通常の生活にも大きな障害を与えている。昨今の報道によれば、関係者の方々が懸命な復旧作業を行っているものの、今しばらく、この困難な状況は続くという覚悟が必要となりそうだ。

この震災により多くの企業が一時的な事業活動の停止や縮小を余儀なくされている。これは天変地異でもあり不可抗力であるものの、経営資源や財務体質が弱い中堅・中小企業にとっては死活問題となってくる。特に震災地域の企業にとっては、いつ事業が再開できるのか、また、本当に事業が再開できるのだろうかと、尽きない不安の中で、生活を送られているものと思われる。

このような状況のなか、メインバンクを中心に金融機関の中堅・中小企業に果たす役割は大きく、金融機関にとって企業とより親密なリレーションシップが築けるかが試される時であるといえる。

掲載記事ではリーマン・ショック時の政府の支援策により、金融機関の中小企業向け融資の公的依存度が高まっていることを報じている。また、今回の震災により様々な公的支援や緊急対策が実施されるため、今まで以上に公的依存度は高まるであろう。

しかし、ここで重要なのは公的依存度の高まり度合いという結果ではなく、企業と金融機関がお互いに財務的な問題を協議して、最適な金融サービスを提案・選択するという、企業と金融機関のリレーションシップの強化であると考えらえる。

リーマン・ショックに始まり、デフレと円高による不況、そして今回の大震災と日本経済が深刻な状況に陥る中で公的金融の社会的意義は大きい。そこで、企業自身が、金融のプロである金融機関と相談しながら、公的金融も一つのツールとしてとらえ、自社の財務体質をいかに復活・改善させるのかを検討することが望まれる。

この企業と金融機関との協議による財務体質の改善活動が、理想のリレーションシップ・バンキングのひとつの姿ではなかろうか。

<参考記事>
「中小企業向け融資 公的金融 1/4に迫る」
2011年2月28日(月)日本経済新聞 朝刊

筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役社長
中小企業診断士 池ヶ谷 穣次
1993年 静岡県立大学卒。MBA。中堅中小企業の経営管理制度・管理会計制度構築サポート、事業再生サポート、財務・事業デューデリジェンス業務、M&Aサポート、株式公開支援、月次決算支援業務等に従事。システムエンジニア時代に得たシステム思考を応用し、経営者・経理責任者の参謀役として活躍中。
池ヶ谷穣次の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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