「家業から企業へ」株式公開で狙うべき効果とは?

経営

日本の大手監査法人であるあずさ監査法人によると、2013年に株式公開した会社は54社(プロ向け市場を除く)だそうです。これを少ないと思われますか、それとも多いと思われますか。

近年最も少なかったのは、2009年の約20社です。この数字だけで比べると、54社は3倍近くあり、多くなっています。
ただ一方、公開絶頂期であった2006年は約190社もあり、2013年の4倍近い数字です。

日経新聞によると、の予定公開企業数は70社から80社程度のようで、やはり、日本経済の巻き返しとともに、公開企業数も増えてくると思います。

さらに、あずさ監査法人の調査を見ていきますと、2013年度の公開企業の規模は、50億円以下の企業が全公開企業のちょうど半分の27社です。

そして、株式公開時の資金調達金額は、5億円以下が15社の約28%、10億円以下までを加えると約63%という結果でした。約3分の2の公開企業の資金調達が、10億円以下だったということです。

さらに、株式公開の準備として、会計監査を含む会計関係対応力の強化、組織体制の整備、関係会社の整備等にかかる、人財の補強コストやその他実費が別途発生します。

これらの総額はザックリいって、3年間で1億円から2億円程度かかります。このコストは、実際には上記資金調達金額からは控除して考えるべきです。こうしてみると資金調達という視点においてさほど多額の資金が株式公開によって調達できるわけではないのが現実です。

しかし、家業を企業にかえていくには、株式公開は非常に有効なツールです。企業の継続性を求めるのであれば、組織として企業経営をしていくことが重要です。

株式公開で求められるのは、まさにこの企業の組織化だと思っています。短期的かつ強制的に組織化を狙うのであれば、この株式公開というツールを考えてみるのも一つではないでしょうか。

アタックスでは、株式公開がその企業にとって今最善の選択肢かどうかという根本の問題から社長のご相談にのりたいと考えております。

もちろん、議論を重ね、株式公開が必要であると社長が認識された場合は、とことんご支援させていただきます。ご興味のある方は一度、林までお問い合わせください。

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー 公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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