百害あって一利なし!~税務調査の実態と絶対に避けたい重加算認定

税務

会社経営をしていると税務調査を避けて通ることはできません。
皆様の会社も何年かに一度の周期で経験されていると思います。

国税庁が発表している前事務年度の情報では、約286万社の申告件数のうち、実際の調査件数は約10万社となっています。

申告総数の3.5%程度が税務調査を受けているということです。
ここ数年同じような比率で推移していますので、調査件数は法人数のわずか3.5%にも満たない実施状況となっています。

3.5%程度というと意外に少ないとお感じになる方もいると思います。
しかし、税務調査を実施した会社のうち70%を超える会社が申告漏れを指摘されていると聞くと、どのように思われますか。

さらに、この申告漏れを指摘された会社のうち約30%の会社に不正計算があったと認定されています。
つまり申告漏れを指摘された会社の3割が脱税認定(重加算認定)を受けてしまっているということです。

ずいぶんと多くの会社が重加算認定を受けていることがわかって頂けると思います。
重加算認定を受けてしまいますと、会社に以下のようなデメリットが生じてしまいます。

(1) 重い罰金がかされてしまいます。
本税のほかに、35%から最大50%の追徴税を払わなければなりません。

(2) 調査頻度が増えてしまいます。
税務調査を受けやすくなってしまいます。

(3) 信用を失ってしまいます。
例えば株式公開をしようとしても上場基準に抵触し、株式公開ができなくなる可能性があります。

お金も時間も信用も失いかねないわけですから、経営資源の無駄遣いにしかなりません。
百害あって一利なしです。

税務調査といいますと、元帳や請求書・領収書などの紙資料を調査官が確認するというイメージをお持ちかもしれません。
しかし、最近はメールやサーバーに保管されているデータの提出を求められるケースが目立ってきています。

現在は「情報技術専門官」という、税務調査官の中でもIT技術に長けた専門官が配置されています。

この情報技術専門官はwordやexcelの更新・削除履歴を確認できたり、データの復元を可能にしたりと、非常に高いITスキルをもっています。

税務調査の現場では、実際に議事録のバックデート発覚やメールの復元からの新事実発覚などから、重加算認定がなされたりしています。

仮に自社のデータを開示しなかったとしても、反面調査先で、データ確認の協力を取り付けるケースもあります。

これらの実例からもお分かりのとおり、税務調査に関しては、事後対応は無駄といっても過言ではありません。

毎月の月次決算の際に税務上の課題・論点をしっかりと把握し、事前対応を心がけて頂きたいと思います。
そのためには、皆様の会社の月次・年次の経理・決算体制をしっかりと構築されることが肝要です。

その体制の構築や運用の中で、専門家である税理士を上手に使うことをお勧めします。
経営資源の無駄遣いを回避していきましょう。

アタックス税理士法人は、月次・年次の経理・決算体制の構築から税金全般のご相談まで幅広くご支援させていただいています。

税務・経理のことでお困りのことがありましたら、弊社までお気軽にご連絡ください。

筆者紹介

アタックス税理士法人 社員 税理士 村松 宏昭
公認会計士・税理士事務所勤務を経て、アタックスに参画。
中小企業から上場会社まで幅広い顧客を担当。お客様中心主義の税務サービスを信条とし、難解な税務をわかりやすく平易な言葉で指導することで高い評価を得ている。経営者に対する財務面からの熱血指導でも定評がある。
※顧問税理士 変更をご検討の方はこちらをご覧ください。

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