社長は、今こそ“組織の憂鬱”を排除せよ!

組織の憂鬱を排除し、組織力強化を! 人材育成

「グローバル化」 「イノベーション」 「ダイバーシティー」
新聞や専門誌を毎日のように賑わすこれらの言葉は、最近ではすっかり聞きなれた感がありますが、今やビジネスを語るに外せない重要なキーワードです。

グローバル化は、商機獲得のチャンスでもありますが、地球の裏側からライバルが突然現れるという脅威もはらんでいます。

また、急激なコモディティー化(一般化)によって、優れた技術力を長期にわたって収益に結びつけることが難しくなってきています。

このような現象は、たゆまぬイノベーション(革新)こそが企業存続の鍵であることを示しています。

更に、ダイバーシティー(多様性)という概念の登場は、従来の「働き方」や「業務のあり方」の根本的な見直しを企業に迫っています。

言葉を変えれば、現代の企業は、ものすごい「緊張感」「スピード」「変化」に晒されているのです。

これに耐えうる強靭な組織をつくりあげていくことが、経営における最重要課題であり、その実現には、「社員一人ひとりの力」をいかに高めていくかにかかっています。

しかし、現実に目を転じてみるとどうでしょうか。
非生産的なことに時間を費やし、ビジネス以外のことで心的エネルギーを消耗している組織が少なくありません。

現に、精神障害等の労災申請件数は増加傾向にあり、昨年は過去最高件数に達しています。

また、厚生労働省が定期的に実施している「労働者健康状況調査」では、「職場の悩み・不安項目」の第1位に、「職場の人間関係」があげられています。

まずは、この現実をしっかり認識することが必要です。
組織に憂いを持つ社員が、外に向かって思い切って戦えるはずがないからです。

このような状況を改め、強靭な組織をつくりあげるためには、「会社が目指すビジョンの明確化」や「あるべき組織の姿、求める人材像の明確化」によって、ベクトルを合わせると同時に、日常の業務を通じて「組織の憂鬱」を排除する努力が絶対に必要です。 

「職場の人間関係」に焦点を合わせるならば、単に感情や性格を引き合いにしてこの問題を解決しようと思ってもなかなかうまくいきません。

大切なことは、「マネジメントの仕組み」が存在し、きちんと機能しているかどうかを見ることです。

実際に、組織力が低下している企業の多くが、「何もかもが不明確」であるケースがほとんどです。

「目標が不明確」
「役割と責任が不明確」
「誰に報連相すべきか不明確」
「何が成果か、何を期待されているのか不明確」
「良かったのか悪かったのか評価が不明確」

これらの「不明確」を解消し、フェアでオープンなマネジメントが確立されたとき、組織はその機能を発揮します。

更に、コミュニケーションという意思疎通、情報伝達・共有が、会議や面談を通じて適切に行われることによって、組織を構成する社員の相互理解や関係構築が進み、自信を持って仕事に邁進する集団をつくります。

組織の中で、社員一人ひとりが自らの存在を認められ、組織に貢献でき、評価される環境が整えば、社員は自らの力を存分に発揮するでしょう。

そうなれば、不満や不信感、対立が介在する余地が少なくなります。

今こそ、組織の内に目を向け、組織の憂鬱を排除し、社員が思い切って戦える組織をつくってください。

それが、ますます厳しさを増す環境変化をたくましく生き抜くための、もっとも重要な競争戦略ではないかと思います。

アタックスでは、人に関わる問題を解決し、「人財力」「会社力」を向上させるためのご支援を行っております。お気軽にご相談ください。
【アタックスの人事コンサルティングサービス】

▼執筆者:北村信貴子 「社員活性化」ブログもご参考ください。

筆者紹介

株式会社アタックス 執行役員 中小企業診断士 北村 信貴子
1963年生まれ。中小企業診断士、産業カウンセラー、BCS認定ビジネスコーチ。大手食品メーカー勤務後、アタックス入社。中堅中小企業を対象に経営診断や人事制度設計運用・人材育成業務に従事。現在は、後継者育成、管理者教育、女性リーダー育成を中心に実践型の教育訓練・能力開発に特に注力。講演・セミナー実績多数。受講者との対話を通じて理解を深めていく迫力ある指導には定評がある。
北村信貴子の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました