ゆとり世代が考える“イマドキ社員との接し方に悩むマネジャー”が知っておくべき3つのポイント

人材育成

ゆとり世代=デジタルネイティブ世代とは?

私は、平成2年(1990年)生まれの【ゆとり世代】です。

社会人になったばかりの頃、ゆとり世代であることについてあちこちで揶揄される場面が多くありました。

「デジタルネイティブ世代」と言われることもあります。これは、学生時代から、インターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代、という意味のようです。特徴としては、以下が挙げられるとしています。

ア)現実の出会いとネットでの出会いを区別しない
イ)情報を無料と考える
ウ)相手の地位・年齢にこだわらない
(インターネット上のフラットな関係に馴染んでいるためと考えられる)

これらは、

ア)対面コミュニケーションの重要性を感じない
イ)お金を出して有益な情報を得ようとする意識が低い
ウ)相手を敬う心に欠ける/敬語が使えない

と言い換えられるかもしれません。

最近の新入社員の傾向

また、皆さんはこんなアンケートをご存知でしょうか。

2016年の春に、日本生産性本部が新入社員に対して行ったアンケートでは、「残業が少なく、自分の時間が持てる職場が良い」と答えた新入社員は全体の約4分の3を占める74.7%に上り、過去最高だったそうです。

もう一つ、職業のあり方研究会と社団法人日本経済青年協議会が2016年度、新入社員に実施した「働くことの意識」調査結果は次のようなものでした。

・人並み以上に働きたい:34.2%(昨年度38.8%)
・人並みで十分:58.3%(過去最高)
・両者の差:24.1ポイント(過去最大)

まったく、今時の若者は・・・と、皆さんの溜息が聞こえてきそうです。

ただ、私の同年代の友人やコンサルティング先の若手営業社員と会話を交わした際果たして本当にそうなのか?と感じるケースが度々あります。

確かに、昔に比べると積極性に欠ける、自主性が足りない、問題意識が希薄な若者が増えたかもしれません。ですが、彼ら・彼女らの多くは少なくとも、私の知る限りでは「目標を達成しないよりは達成した方が良い。でも、そのやり方が分からない・・・」という悩みを抱えています。

ですから、私共がコンサルティングに入り、営業の現場で 「ここまで訪問に来たついでに、周辺の会社10件を飛込みで回りましょうか」「顧客の拡大販売余地を測る質問を考えてみましょうか」「どのようにトークを組み立ててテレアポしますか」 そんな風に少しだけ誘導してあげると、彼らは一生懸命取り組み出すのです。

ここまで読んでいただいた時、「やり方が分からないのであれば、誰かに聞いたら良いじゃないか」そう思われる方がいるかもしれません。「聞いてきてくれたらこちらも答えてあげるのに」と。 それが正に、マネジャー層と若手社員との世代のギャップです。

対面コミュニケーションをさほど重要視しない彼らが「聞く相手」とは、マネジャーや会社の先輩ではなくSNSでつながった友人であったり、インターネット上の顔も知らない誰かかもしれません。

更に、そこで仮に解決手法を知ったとしても残業を嫌い、プライベートの時間を重視し、「人並みの働きで十分」だと考える彼女らは手に入れた知識を実務に落とし込む手間をかけたくないと思うかもしれません。

そんな思考プログラムの若手社員に対して「何で聞いてこないんだ」というネガティブな感情を抱くよりその特徴を踏まえた上で「マネジャー側から部下に寄り添ってみよう」と、発想を転換していただきたいのです。

イマドキ社員と接する3つのポイント

ここでマネジャーの皆さんにお伝えしたいポイントは3つです。

1)十言って、部下が十やると思わない
2)定量・定数表現を用いる(4W2Hを使う)
3)完遂するまで言い続ける

若手社員は、受け身ながらも、人並みの働きはしてくれる訳ですからその「人並み」、つまり「当たり前の基準」を上げてみていただきたいのです。

すなわち、

1)一回言い聞かせたからと言って
  「後はやってくれるだろう」と、マネジャーは過信しない。
2)ぼかし表現は厳禁。
  誰が聞いても同じように受け取れる内容にまで落とし込んで指示を出す。
3)約束事を守るのは当たり前。
  遂行するまでマネジャーが継続して介入する。

そうすることで、部下達の行動は少しずつ、でも間違いなく変わっていきます。

とは言っても、ウチの部下はそんなことない、指示をしても嫌な顔をする、期限を過ぎた仕事があっても、謝るどころか言い訳をしてくる・・・そんなご経験のあるマネジャーの方も多くいらっしゃるでしょう。

ここで思い出していただきたいのです。マネジャー側から部下に寄り添い、若手社員の「当たり前の基準」を上げましょう。 部下の言い訳は、ただの習慣です。そんな言い訳に付き合う時間は、マネジャーの皆さんにはないはずです。 やることはやる。決めた事は必ずやり切る。それだけのことです。

強く・激しく叱咤する必要はなく、冷静に部下を見て淡々と言い続けるのは、パワハラでも何でもありません。 今まで色んなことを試しても続かなかったマネジャーの方、まずは物事をシンプルに捉え、実践してみませんか。

1)十言って、部下が十やると思わない
2)定量・定数表現を用いる(4W2Hを使う)
3)完遂するまで言い続ける

若手社員との接し方に悩むマネジャーの方が一人でも減り、役職・年齢・性別の違いに関わらず、誰もがイキイキと働く。そんな会社が増えることを、切に願います。

言い続けるだけ・・・とは言っても、それが難しい。部下を育成するためのマネジメント手法を体系的に学びたい!という方は『壁マネジャー養成コース』をご受講ください。
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筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント
岩山 真子
大手賃貸不動産業のFC加盟会社での法人営業部を経て、アタックスへ入社。前職では、新規立ち上げ部署として上場企業をはじめとする3,000社に対しアウトバウンドセールスを行い、部署での提携社数は550社に上る(FC加盟店350店舗において全国1位)。また、個人としては入社後歴代最速で社長賞を受賞。平成生まれの若手コンサルタント。「経験年数の少ない若手社員こそポテンシャルを秘めている」という信条から、若手社員でも成果を残せる営業手法を広め続けている。

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