オーナー社長の最大の仕事、事業承継に近道なし!

事業承継

サントリーホールディングスの社長に、新浪剛史・ローソン会長が就任することが正式決定しました。

サントリーは、鳥井信治郎氏が1899年に創業後、創業家から4代続いて社長が出ており、現在の佐治信忠社長の後任には創業家である鳥井信宏サントリー食品インターナショナル社長の名前が取り沙汰されていましたが、創業家とは無縁の新浪氏の起用はサプライズ人事として取り上げられています。

この背景として、佐治社長が目指す「真のグローバル企業」を実現できる人材は社内には見当たらず、実績のある外部にトップを求めるしかないと判断したことおよび後任候補者であった鳥井氏が、まだ40代と若いことがあげられています。

本事例から、事業承継には、企業が目指す姿を実現できる人財の育成が必要であり、それを実現するには、相応の経験が必要であるということがわかります。

そもそも、多くの中小企業で行われている同族承継の典型である親から子への承継の場合、通常30歳ほどある年齢差による経験はいかんともしがたいものであり、実際、同族承継が行われた30代~40代の若手社長が着任時に悩むのは「自分の実力で成し遂げたものがほとんどない状況の中で、本当に自分に社長が務まるのか?」という点です。

この悩みを解消し、年齢差を埋めるには、後継社長自身の経験値の向上も当然必要ですが、「自社にある人的資源の最大活用」を最優先に考えるべきであり、特に組織の要となる経験豊富な経営幹部の育成、登用が重要です。

また、経営幹部の育成は、同族経営を志向しない場合においても重要となります。

企業が安定的かつ長期に成長していくには、円滑な事業承継は重要な経営課題であり、企業の8割超が事業承継を経営問題として認識していますが、その実態は、3割しか事業承継の計画を持っていないといわれています。

結果として事業承継が成り行き任せになってしまった企業が多数あり、5~10年程度はかかるといわれる事業承継の準備が不十分であることが浮き彫りになっています。

事業承継計画に基づく承継準備段階の企業のほとんどが、「後継者の資質・能力の向上」「後継者を支える人材の育成」を重点事項として取り組まれており、これは経営トップを中心とした組織力強化が円滑な事業承継には極めて重要なことを表しています。

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筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 取締役 錦見 直樹
1987年 富山大学卒。月次決算制度を中心とした業績管理制度の構築や経理に関する業務改善指導を中心としたコンサルティング業務に従事。グループ7社を有す中小企業の経理・経営企画部門出向中に培った豊富な経理実務経験を武器に、経営者、経理責任者の参謀役として活躍中。
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