経営目標を達成させるKPIマネジメントとは

KPIとは

KPIとはKey Performance Indicatorの略語であり、重要業績評価指標のことを指しています。

KPIを設定することにより経営目標の進捗度合いを見える化することが可能となるため、経営目標の達成に当たってKPIを設定し、マネジメントの仕組みに組み込んでいくことは非常に有用であると言えます。

このコラムでは、以下の3点についてお伝えしたいと思います。

KPIの設定方法

KPIの設定に当たって重要なことは「成果を構成する要素又は成果を生み出すためのプロセスへの分解」となります。

例えば、売上目標の達成度合いを追いかける際に、売上を上げる一連の流れを初期アプローチ・訪問・提案・受注といったプロセスに分解します。

次に、分解したプロセスごとに、その達成度を測定する指標を設定します。この事例では、以下のような指標が考えられます。

KPI設定による効果

KPIの設定による最大の効果は、正確で迅速な意思決定と問題解決が可能となる点にあります。

KPIを設定していない会社では、以下のような会話をよく耳にします。

上司:「今月の君の売上は予算大幅未達だね。もう少し頑張ってもらわないと困るよ。」
部下:「申し訳ありません。来月取り返せるように、全力で頑張ります。」

ありがちなこのやり取りですが、この会話からは「売上未達の原因は何で、リカバーのためにどういった行動を行うのか」が全く見えてきません。

プロセス分解を行い、上記のようなKPIを設定することで、どのプロセスに問題があるのかが明確になり、おのずとどういう行動をとらなければならないかが見える化されることとなります。

また、KPIを設定することにより、主観や精神論を排除し、客観的な定量指標により個々人の業務への取り組み状況を評価することが可能となるため、社員のモチベーションアップにも繋げることが可能となります。

KPI設定のポイント

最後にKPI設定のポイントとして、

1)上位方針との整合性を取る
2)コントロール可能な指標を取り入れる
3)シンプルな指標とする

の3点について触れたいと思います。

1)上位方針との整合性を取る

KPIを設定する上では、戦略やビジョンといった上位方針との整合性を取ることが重要です。

例えば、webマーケティングを活用して販促手法のデジタル化を推進する方針を打ち出している中で、KPIとして「チラシ広告実施回数」を設定したとすると、これは上位方針との整合性が取れておらず、意味のない管理をしてしまうことになります。

現場からのボトムアップでKPIを設定する場合、過去の延長線上で手軽なKPIを設定しがちですが、そうした場合でも上位方針との擦り合わせを行うことが大切です。

2)コントロール可能な指標を取り入れる

自らの意思に基づいて実行可能な指標をKPIにすることで、目標達成意欲を高めることが可能となります。

例えば、商談のシーンにおいて「見積依頼件数」をKPIに設定した場合と「顧客訪問件数」をKPIに設定した場合を比べてみましょう。

前者の場合は、見積依頼者は顧客であり自らの意思のみで依頼件数目標を達成することは出来ません。一方で後者の場合は「訪問する」意思決定と行動主体は自らであり、実行意思があれば必ず目標を達成することが出来ます。

自らの意思ではコントロール出来ないKPIを設定してしまうと、目標未達時にその原因が曖昧になってしまいます。

3)シンプルな指標とする

設定したKPIは、一定のルールに基づき定点観測し、目標値と実績値のモニタリングを行うことが必要です。ここで重要なことは、「管理のための管理」としないということです。

すなわち、設定するKPIは自社の管理レベルに応じて身の丈にあったものでないと、継続的に実績測定を行い続けることが難しくなってしまうのです。

例えば、生産現場において設備稼働率をKPIに設定したものの、稼働時間を手作業で測定せねばならない場合、稼働時間を集計すること自体が現場に新たに降って湧いた仕事となり、KPI実績を把握するための管理業務に追われてしまうこととなります。

従って、現在すでに整っている仕組みの中でルーチン化が可能なシンプルな指標を設定することがポイントとなります。

アタックスグループでは、全社員で「戦略指標」を共通言語として追いかけ、経営成果を確実に上げていくために、中期経営計画策定・運用や業績管理制度(管理会計)導入支援プログラムを提案しています。

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筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング
取締役 公認会計士 万野 裕人
2003年 京都大学卒。中央青山監査法人において現場責任者として大手電子機器メーカー等約20社の監査業務に従事。アタックス参画後は、多数の企業再生支援業務・M&A支援業務等のプロジェクトマネージャーとして活躍中。
万野裕人の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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