大塚家具の窮地から学ぶ~経営改善の成否を決める3つの要諦!

最近は少し減りましたが、1か月ほど前は毎日のようにネットのニュースに登場していた大塚家具。業績が悪化して巨額な赤字が続いているとか、提携や身売りの話がうまく言っていないとか、はたまた大塚社長の経営能力に?マークなど言われ放題です。

確かに、最近の業績は赤字が続き、財務内容も急激に悪化しています。また店舗は賑わいが無く、とても経営改善が進んでいるとは考えにくいので、益々将来に不安があると思われるのでしょう。

今回は、業績を改善・安定させるために考えていただきたいことを、大塚家具を例にして解説します。

私は、仕事柄多くの中堅中小企業の経営にコンサルタントとしてかかわらせて頂いています。 その中で、経営が悪化し、金融支援を受けることになった会社、そう、会社の規模は違いますが、大塚家具の様な状態になった会社のご支援をするケースがあります。

この様なご支援の場合、思いとしては絶対に業績を改善し、金融支援から脱して、いわゆる正常先と金融機関から評価される状態になって頂くよう全力で経営に伴走します。

しかし、残念ながら全ての会社の経営改善が成功するとは言えないのが実情です。倒産や事業廃止にいたるケースもあります。せっかくご縁を頂きお手伝いしたのに忸怩たる思いです。

現場を踏んだ経験から経営(業績)を改善できる条件は3点あると思います。

1.まず、前提として「一定の付加価値を付けて売れる商品(技術・サービス)」を持っている
2.会社の実態を正確に把握できる業績管理の仕組みがある
3.経営トップが、決めたことをやりきる強力なリーダーシップを発揮している

さて、1.は、これがあったら業績は悪化しないだろうと思われるかもしれませんが、残念ながらそうではありません。 折角良いビジネスモデルがあっても、それを活かしていない経営をしているケースがあるのです。2.と3.が良くないケースです。

折角良い商品を持っているのに、財務がどんぶり勘定だったり、社長がしっかりとした経営をしていなかったり、その結果経営危機に陥った会社をたくさん見てきました。

では、この3点の中で一番大切なものは何か?

私は3.だと考えます。
社長が信念を持ってリーダーシップを発揮して経営に当れば、2.は当然として、1.のような商品を生み出す、または一定の付加価値を生み出すビジネスモデルを作ることができる可能性が高いからです。

利益を出すビジネスモデルを作り出すことができる社長、つまりマネジメントではなくリーダーシップを発揮する社長ということです。 では、大塚家具をその視点で見てみましょう。

1.は非常に苦しい状態です。
過去は会員制という販売形態を取ることで富裕層に付加価値の高い商品を販売するという独自のビジネスモデルを持っていました。

それが、そのビジネスモデルを自ら否定し、売り方や商品の価格帯を変更する新しいビジネスモデルに転換しました。残念ながら結果が出ていない(今のところ)以上、この作戦は失敗でした。 2.は上場会社である限り万全な経営管理を行っているでしょうから、次は3.になります。

私は大塚久美子社長とお会いしたことはありませんし、経営をなさっている現場を見たわけではないので軽はずみなことは言えません。

しかし、一つだけ次の質問を大塚社長にしてみたいのです。

「従来のビジネスモデルを変えるということはものすごいハードルを乗り越えることだと思います。これには、マネジメントではなく強力なリーダーシップが必要なはずです。大塚社長は経営トップとして、新しいビジネスモデルに合致した商品を自ら開発にかかわり、それをどこで幾らで作らせ、店舗にはこの価格でこのように展示して、お客様にはこのような対応をしてお買い上げいただく、という“商売のあり方”を自ら現場に赴き指導したのでしょうか?」

経営改善の難しさを大塚家具に学ぶ機会として、業績が悪化したケースのお話をしてきました。 しかし、先ほどの3点はどの会社にも経営者として常に頭に置いていただきたい経営の要諦です。どんな経営環境でも「持続的成長」できる会社にするために。

1.「一定の付加価値を付けて売れる商品(技術・サービス)」を持っている
2.会社の実態を正確に把握できる業績管理の仕組みがある
3.経営トップが、決めたことをやりきる強力なリーダーシップを発揮している

筆者紹介

株式会社アタックス戦略会計社 代表取締役会長 片岡 正輝
1952年生まれ。アタックス税理士法人の前身である公認会計士今井冨夫事務所に入社。現在は、アタックスグループの統括マネージャーとして、広範囲な知識と豊かな経験という両輪を武器に、経営・財務・会計業務を中心に計画経営の推進、経営再構築、事業承継等のコンサルティング業務に従事、経営者の参謀役として絶大なる信頼を得ている。
片岡正輝の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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