「日繰り表経営」の極意~マッチョな財務体質はこうして作る!

先日帝国データバンクから発表された2019年度業界天気図動向調査によると、上半期の国内景気はこれまでの回復基調から一転して総じて悪化傾向が鮮明になっており、今後も製造業を中心に国内景気は弱含むと見られているとのことです。

米中貿易摩擦の影響もあり、多くの中堅中小企業にとっても自社の経営環境を見通すことが出来ず、どういった経営方針を打ち出していくべきか悩まれている経営者も多くいらっしゃるのではないかと思います。

私は日々コンサルタントとして顧客企業の経営を財務的な面からサポートしていますが、経営における「攻め」と「守り」のタイミングを見極めるとともに、メリハリをつけることが重要であると考えています。

特に売上環境が悪化基調においては起死回生の一手(これがすなわち「攻め」ですが)を打ち出す前に、自社のキャッシュフロー構造を点検し、キャッシュフローの最大化を図る、すなわち「守り」を固めることが重要であると考えています。

キャッシュフロー経営という言葉はおそらく多くの方が聞いたことがあると思いますが、本稿ではその究極のかたちとして「日繰り表経営」についてご説明します。

資金繰り表は、順調な会社こそ作るべき

そもそも、皆さまの会社では資金繰り表を作成されているでしょうか?

資金繰り表とは、自社の収入と支出を把握するためのツールですが、資金繰りに全く問題がない企業では作成されていないことも多いようです。

また、私の経験からすると、業績悪化に伴い借入金返済負担が重くなった際に金融機関からの要請を受けて作成するというケースもあります。

それでは、日々の資金繰りに問題がない企業は資金繰り表を作成する必要はないのでしょうか?

私は、強い企業がより強くなるためのツールが資金繰り表であると考えています。

更には、毎日の資金の出入りを管理する日繰り表こそが重要であると考えています。
 

「日繰り表」をつくるメリットとは?

京セラの創業者である稲森和夫氏はご自身が掲げる経営12か条の一つとして

「売上(収入)を最大に、経費(支出)を最小に」

ということをおっしゃっています。

誰もこれに異論はないと思いますが、言うは易し、行うは難しであり、大切なことは売上最大経費最小を実現するための仕組みを根付かせることです。

日繰り表では日次の入金内容と支出内容を緻密に記録して入出金と資金残高を管理していきます。
この作成をルーチン化することによって、自社では毎月どのタイミングでどういった収入と支出が生じているのかを把握することが出来ます。

そして、収入と支出実績を精緻に把握することが出来ると、必然的に将来の資金繰り予測を立てることが可能となるのです。
 

さらに筋肉質な財務体質を作る「日繰り表」の活用

私が顧客企業の資金繰りについてアドバイスしていることの1つに、資金繰り予測には「目標」と「悲観」の2つのパターンを常にもっておく、ということがあります。

後者の「悲観」は、企業の資金繰りが行き詰まるリスクはないかを検証する視点で準備するものです。

前者の「目標」は、過去の資金繰り実績を構成する収入・支出内容を精査したうえで自助努力可能な改善余地を洗い出し、向こう3か月間程度の日繰り予測表を作成するというものです。

「手元にいくらのキャッシュを残すのか」
ということは、設定する目標指標として極めてシンプルで分かりやすいものです。

従って、日繰り表ベースでPDCAサイクルを回しながら日々のキャッシュフローに徹底的に拘っていくこと、これが筋肉質な財務体質を作るために大切にすべき「日繰り表経営」だと考えています。

アタックスでは、今回ご紹介させて頂いたような資金繰り管理の仕組み作りを顧客企業と伴走しながらサポートさせて頂いております。
ご興味がある方は、弊社ホームページをご高覧頂き、お気軽にお問合せ下さい。
お問い合わせはこちらから

筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング
取締役 公認会計士 万野 裕人
2003年 京都大学卒。中央青山監査法人において現場責任者として大手電子機器メーカー等約20社の監査業務に従事。アタックス参画後は、多数の企業再生支援業務・M&A支援業務等のプロジェクトマネージャーとして活躍中。
万野裕人の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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