若手社員の「給与低いので辞めます」の誤解?~説明不足が招く退職リスクとは

先日、あるご支援先の社長様から次のようなご相談がありました。
「活躍を期待していた若手社員から突然『辞めたい』と言われて…よくよく話を聴くと、どうも『給与の低さ』でモチベーションが下がってしまっているらしいんだ…。うちって本当に給与が低いのだろうか?」

このお話を受けて、この会社の給与と世間水準との比較をグラフにしてみました。
すると、次のようなことがわかりました。

(1) どの世代の社員も基本給は世間水準よりも低いが、年収は世間水準並み、もしくは世間水準より高い。その理由は、世間水準よりも高い額の賞与が支給されているため。

(2) 年収は、20代・30代は世間水準並みだが、40代・50代になると世間水準よりも高い。理由は、世間水準よりも高い額の管理職手当が支給されているため。

その後、社員ヒアリングも行った結果、更に次のことがわかりました。

(1) 若手社員がこれらの報酬全体の自社水準を知らず、基本給の金額だけみて「うちの会社の給与は低い」と思っている。

(2) 若手社員は自身が40代・50代になるとどれくらいの年収になるのか理解しておらず、将来に不安を抱いている。

この結果をもとに、次のことをご提案し、実施しました。
(1) 社員に報酬制度含めた人事制度全体の説明を行うこと
(2) 自身の将来がイメージできるよう、キャリアを考える研修を行うこと

今回のお悩みを解決するポイントは、世間水準と比較し、わかりやすくグラフ化して定量的に事実を確認することでした。

報酬の世間水準として最もよく活用されるのは、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータです。
■「賃金構造基本統計調査」平成29年調査結果

この調査結果を活用すると
例えば以下の3つの比較ができます。
(1) 同業他社との比較
(2) 同人数規模の他社との比較
(3) 同地域との比較

この調査のきっかけは若手社員の退職の事例でしたが、グラフ化することにより、他の課題も見つけることができました。

●管理職である課長よりも、非管理職の係長の方が残業含めた月給が高い
 →課長が「これだったら係長の方がよかった」とモチベーションダウン…
●男性と女性で同じ仕事だが、給与に明確に差がある
 →「デキる女性社員」のモチベーションダウン…

これらは、グラフ化しなくてもわかりそうなものですが、意外に、給与の逆転や、給与格差を自覚しておらず、視覚化して初めて問題を認識するというケースが多々あります。

苦労して採用した若手社員が、事実を知らずに辞めていく…。
せっかく昇格した管理職が、デキる女性社員が、モチベーションを下げてしまう…。
大変もったいないことです。

ぜひ一度、貴社の報酬制度を定量的に分析してみましょう!
採用や定着、社員のモチベーションアップに繋がる課題が見つかるかもしれません。

アタックスグループでは【人事診断】を行っており上記のグラフ化のご支援が可能です。
人事診断では給与以外にも
・人員構成
・離職率
・評価制度
などの分析も可能です。
お困りの方はこちらからお気軽にお問い合わせください

筆者紹介

株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング コンサルタント
佐治 尚美
広島大学教育学部卒業。前職の学習塾では、講師のみならず営業活動やアルバイト社員への指導など幅広い業務に従事。 アタックス入社後は、人事制度改革・運用支援や組織風土改革支援に従事。「一人ひとりの可能性を最大限信じる」をポリシーに、ティーチング・コーチング・カウンセリングの技術を駆使しながら人と組織の活性化を推進している。現在は若手社員への育成定着率向上に向けた取り組みに注力している。

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