エンゲージメント経営とは~アフターコロナの経営戦略

総理は、緊急事態宣言解除について「コロナの時代の新たな日常のスタート」と言及しました。

今回のコロナウイルスによって世の中は急激に変化しています。
その変化の一つとして我々の“働き方”が挙げられます。

今までは、始業時間までに会社に出勤し、終業時間後に帰宅するという働き方でしたが、今回のコロナ禍の影響で、在宅勤務(以下、テレワーク)が推奨されるようになりました。

これまでも一部の先進企業でテレワークは実施されていましたが、多くの企業では、テレワークの導入にかかるインフラの整備や労務管理の煩雑性などの理由で、テレワークの実施を躊躇していました。

そのような状況がコロナ禍によって一変しました。

株式会社日本リサーチセンターの調査によると、有職者全体のうち、緊急事態宣言後「週1日以上」テレワークを実施しているのは37.2%、特に2020年3月から緊急事態宣言後にかけては10ポイント程度増加しているという結果が出ています。

職種や業種によってはテレワークの実施が物理的に困難な企業もありますが、確実にテレワークの実施企業が増えていることがわかります。

アフターコロナに向けた働き方の変革

それでは、今後、緊急事態宣言が解除され、徐々に活動の自粛が緩和されたとき、テレワークを推奨していた企業は、コロナ禍以前の働き方に戻すでしょうか。

はっきりと断言することはできませんが、完全にもとの働き方に戻ることはないと思います。

一般社団法人日本能率協会が行った新型コロナウイルス感染症に関連するビジネスパーソン意識調査によると、在宅勤務初体験者の8割が収束後も「継続」を希望し、「新常態」を受け入れると回答しています。

社員が働きやすい環境で働き、生産性を高めるということで、今後、テレワークという働き方は一般的になっていくと思います。

テレワーク普及の問題点

さて、テレワークのような働き方が普及していくことで問題になってくることは管理職のマネジメントです。

対面で顔を合わせて職場で働いていたコロナ禍以前の働き方であればある程度、部下が今日どんな作業をしているか、その作業の進捗状況がどうなっているのかを把握しやすかったと思います。

しかし、テレワークという働き方だと、上司の目が届かなくなるため、サボる社員が増えることを懸念する管理職もいるはずです。

ここで少し立ち止まって考えなければいけないことは、コロナ収束後の新しい世界において、本当にこれまでと同じマネジメントで良いかということです。

「50年、自分の手法がすべて正しいと思って経営してきた。だが今回、それは間違っていた。テレワークも信用してなかった。収益が一時的に落ちても、社員が幸せを感じる働きやすい会社にする。」

日本電産の永守重信会長兼CEOは日経新聞のインタビューでこのように答えています。

正直言って、サボる社員はそもそもテレワークでなくても、会社でネットサーフィンをしたり、休憩スペースでおしゃべりしたりと、会社であっても仕事に集中していなかった可能性があります。

問題の本質は、どこで働くかではなく、仕事そのものが社員にとって退屈でつまらないものだからではないでしょうか。

会社で働く社員一人ひとりが、自分自身の仕事の目的や意味をはっきりと認識していないからではないでしょうか。

これまでのマネジメントは、社員一人ひとりが仕事をする意味や目的を置き去りにし、KPIなどの指標という無機質なもので行動を管理することが一般的でした。

また、社員側も働く「意味」を深く考えることなく、やらされ感を漂わせたまま、とりあえず会社に来て、上司に指示されるがまま仕事をこなし、それなりに残業をして、帰宅するという生活を送っている人が少なくなかったと思います。

しかし、それでは、会社も社員も幸せとは言えません。

アフターコロナに必要なエンゲージメント経営とは

コロナ終息後の新しい世界において、生き残る会社は、社員一人ひとりが仕事に内的報酬を感じながらのめり込んでいる状態を作り出せる会社です。

内的報酬とは、仕事のそのもののやりがいや、自己の成長といった精神的報酬のことを言います。

一方で、金銭的給与や役職などの地位・立場を与えられることを外的報酬と言います。

社員が内的報酬を高め、仕事にのめり込んでいる状態のことをエンゲージメントと言います。

社員のエンゲージメントを高めて、会社の業績に繋げていこうという経営手法をエンゲージメント経営と言います。

エンゲージメント経営を実現するためには、管理職の力が欠かせません。

その理由は、内的報酬が人によって異なるからです。

仕事そのものに対してやりがいを持っている社員もいれば、一緒に働く仲間との関係性に充実感をもっている社員もいます。

そのため、部下一人ひとりの価値観に寄り添っていくことが必要になります。

上司は、「頑張って目標達成したらボーナスがたくさんもらえるぞ」という人参をぶら下げるような外的報酬のマネジメントではなく、仕事の目的や意味を語り、部下の能力適正に応じてチャレンジングな課題を与え、関心を持ってフィードバックして、内的報酬を高めていく行動が求められます。

これからの新しい時代において、このようなことが実践できる管理職を増やしていくことが、他社との差別化を図り、企業業績を高める戦略の一つだと思います。

コロナ後の世界における経営戦略として「エンゲージメント経営」が主流になってくるのではないでしょうか。

アタックスグループでは、エンゲージメント経営を実現するための組織サーベイや管理職研修を実施しています。お困りの方はお気軽にお問い合わせください。
【アタックスの人財・組織活性化サポート】【アタックスの人財・組織活性化サポート】

筆者紹介

l_masuda

株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング
取締役 社会保険労務士・産業カウンセラー
増田 将信(ますだ まさのぶ)
1986年岐阜県生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業後、社会保険労務士事務所勤務を経て、2010年株式会社アタックス入社。前職では、社会保険や労働保険の手続き業務を中心に、顧客担当者として幅広く労務管理業務に従事。現在は、前職の経験を活かし、人事制度構築や労務管理支援等のコンサルティング業務に携わっている。

LINEで送る
Pocket

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コラム執筆:アタックスグループ
アタックス税理士法人
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング
株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ
株式会社アタックス戦略会計社
株式会社日本話し方センター

カテゴリー

話題をチェック!

  1. ITの話となると概念や横文字ばかりで難解ですが、今回はその中でも、特に経営者の皆様方におさえて頂きた…
  2. 昨年12月に平成31年度税制改正大綱が公表されました。 「個人事業者」の事業承継を促進するた…
  3. 中小企業の事業承継を後押しする目的で、事業承継税制の特例制度が2018年4月からスタートしました。 …
ページ上部へ戻る