電通事件に思う~長時間労働の是正が進まない本当の理由とは

長時間労働問題

先月、非常にやるせない気持ちになったニュースがあります。
電通の新入社員だった女性の過労自殺が労災認定されたニュースです。

直前に時間外労働が月100時間以上と大幅に増えたことが原因とされています。 時間外労働が月100時間の状態とは、おおむね平均睡眠時間5時間以下というライフスタイルに該当します。

疲労回復のための睡眠時間を十分に確保できない状態では、脳・心臓疾患のリスクが高まるだけでなく、記憶力・認知能力・問題処理能力などが著しく低下することが分かっています。

つまり、睡眠を削って働けば働くほど、ミスやトラブルの増加など仕事のパフォーマンスは低下します。そして、ミスやトラブルをカバーするためにさらに時間外労働が増えて睡眠は減る、という悪循環に陥るのです。

これでは会社にとっても社員にとってもひとつも良いことはありません。

しかしながら、実際に長時間労働是正の話になると、多くの方は、「突発的な業務が生じるから無理だ。」「そもそも人員が不足しているから無理だ。」と無理な理由をこれでもかと並べます。

このような発言はもっともらしく聞こえますが、私は本当の理由ではないと考えています。
本当の理由は「これまでに確立したパターンを変えたくない」からです。

例えば、毎日22時まで仕事をしている人は、22時に退社し深夜1時に就寝する、といった生活パターンが確立しています。 仕事の進め方についても、一つの案件を最初から最後まで独力でやり切るといった仕事のパターンが確立しています。

この確立されたパターンを「変えること」がストレスなのです。ストレスを乗り越え、変えていくためには一定の強制力を伴った働きかけが必要です。

私の知っている実例では、数年前には夜中までの長時間労働が慢性化していた職場で、社員ひとりひとりの仕事と生活のパターンを変えるべく、

経営者が定時以降の残業を一切禁止した会社があります。今では経営者が各所で講演を頼まれるほどワークもライフも充実している会社です。

長時間労働の是正は、社員ひとりひとりの仕事と生活のパターンを変えていくこと。そう捉えると、会社として、上司として、何かできる取組みがあるのではないでしょうか。

株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティングでは、人事制度改革、社員教育、働き方改革など、人事のお困りごとについて親身に対応させて頂きます。お気軽にご相談ください。

長時間労働の是正についてお悩みがある場合は、こちらからご相談いただけます。

筆者紹介

株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング 社会保険労務士 木村芳子

株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング 特定社会保険労務士 木村芳子
名古屋市立大学経済学部卒業後、住宅関連メーカー勤務を経て、アタックス入社。前職では、社内教育研修の企画運営、定期面談を含め、幅広く人事労務業務に従事。現在は前職の実務経験に加え、社会保険労務士としての資格を活かしながら、「会社と社員のWIN-WINの関係づくり」「活気あふれる組織づくり」をモットーに活躍中。また、3歳の子を持つママであり、自らワークライフバランスを実践している。

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