待ったなし!有期契約社員の無期転換

労働者との有期雇用契約が5年を超えて反復更新されると、有期契約労働者の申し込みによって、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換しなければならないルールがスタートしました。 これは、平成25年4月1日に施行された改正労働契約法によるもので、いわゆる「無期転換ルール」です。

※ここで有期契約労働者とはパートやアルバイトなどの名称を問わず 雇用期間の定めのある社員をいいます。

5年のカウントは、有期契約労働者として雇用されている社員について、改正法の施行日(平成25年4月1日)から開始されます。 したがって、同法の施行日である平成25年4月1日から5年を経過した日、つまり平成30年4月1日以降に初めて無期転換ルールを適用する有期契約労働者が現れます。

いよいよ実質的な無期転換ルールのスタートまで1年を切りました。各企業における受け入れの準備は整っているでしょうか。 実際にはまだまだ無期転換ルールに関する理解が労使ともに浸透しておらず、会社側も労働者側もそもそもこれがどういうルールなのか知らない企業も多いと思います。

先日、日経新聞の朝刊に『有期契約労働者に関する調査報告(連合)』の記事が載っていました。 この調査は、有期契約労働者の改正労働契約法についての認知状況や考えを把握するため、今年の4月に実施されたものです。 「無期転換ルール」を知っているかどうかという質問に対する有期契約労働者の回答は以下の通りです。

ルールの内容を知っていた…15.9%
ルールができたことを知っているが、内容は知らなかった…32.9%
ルール自体を知らなかった…51.2%

ルール自体を知らなかったという回答も含めて、内容を知らない人の割合が8割を超えています。 さすがに企業側では、ルールすら知らない割合が8割を超えていることはないと思いますが、すでに対策を講じたという企業は少数ではないでしょうか。

また無期転換ルールをご存知の方でも「有期契約労働者が5年超働いたら“正社員”に転換しなければならない」と勘違いしている方がいます。 今回の改正法では「“正社員”に転換しなさい」とはなっていません。期間の定めを“有期”から“無期”に転換することで足ります。つまり、労働時間や給与などの労働条件はすべて同じで、期間の定めだけをなくし、雇用期間を「期間の定めなし」とするだけでも問題ではありません。

いずれにせよ、企業としてはまず無期転換ルールをしっかりと把握し、対応を行う必要があります。 一般的な対応のステップは以下の通りです。

1.現状把握
2.無期転換制度の設計
3.労働条件の見直し、就業規則の改訂
4.制度の導入、運用・改善

特に「2.無期転換制度の設計」の部分は、時間をかけて検討する必要があります。 無期転換する社員について、今まで通りの仕事をしてもらうのか。それとも、無期に転換するタイミングでより正社員に近い業務を担い、活躍してもらうのか。もしくは、いわゆる正社員に転換し、他の正社員と同じ責任を担ってもらうのか。

人材のポートフォリオを念頭に置き、無期転換制度の詳細を考えていくことが肝要です。

アタックスグループでは、法改正に伴う人事制度の整備や、就業規則の改訂をサポートいたします。お困りの方はお気軽にお問い合わせください。
【アタックスの人財・組織活性化サポート】

筆者紹介

l_masuda

株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング
社会保険労務士・産業カウンセラー
増田 将信(ますだ まさのぶ)
1986年岐阜県生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業後、社会保険労務士事務所勤務を経て、2010年株式会社アタックス入社。前職では、社会保険や労働保険の手続き業務を中心に、顧客担当者として幅広く労務管理業務に従事。現在は、前職の経験を活かし、人事制度構築や労務管理支援等のコンサルティング業務に携わっている。

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