経理は経営を「見える化」する土台!~今こそ経理業務プロセスの改革を

経営

このコラムをお読み頂く頃には、緊急事態宣言や蔓延防止が解除されていると思います。

各種の制限も段階的に緩和され、経済活動が順調に元の状態に戻ることを願っています。

今回は、各会社が行う経済活動、つまりビジネスの土台を支える「経理」についてお話します。

よくある経理のお悩み

私は仕事柄、経営に関するご相談を頂く事が多いのですが、関連して経理のご相談も多く頂きます。

良くあるご相談の内容は、

①月次決算(試算表)が遅い
②社長が求める(見たい)資料や数字が出てこない
③属人化している
④経理の方達が何をしているのかが分からずブラックボックス化している
⑤以上の事象から、このまま事業規模が拡大したら、今の体制では無理
 (経理のメンバーが疲弊してしまう)

こんな所でしょうか。

これは、経理の皆さんが悪いわけではありません。皆さん一生懸命仕事をされています。

ただ、会社が成長する一方で、今までと同じやり方を続けてきた結果、社長が困られたり、会社のリスクとなる状況が生まれたのです。

経理は経営の土台

冒頭で申し上げたように、経理は経営の土台です。

各部署の活動の結果を集計して会計の数字にまとめたり、入金や出金を管理することで経営活動に支障をきたさないよう資金繰りを行うなど、経営の土台という支えがあるからこそ安心してものづくりや営業活動が可能になるのです。

とはいえ、社長の不安や心配事は解決した方が経営にとっても経理の皆さんにとっても良いことなので、改革・改善に向けた手を打って頂きたいと思います。

限られた紙面なので、取り組んで頂きたい点に絞ってお伝えします。

どんな会計ソフトを使うかはあまり問題ではありません。重要なことは「経理の業務プロセスを変える」ことです。

誰でも、長年慣れ親しんだやり方を続けたいものですが、小手先の変更では効果は限定的ですし、また直ぐに問題が出てきてしまいます。

「当社の経理業務はこの様にする」という目標の姿を決めて、そうするには経理業務の流れはこの様にするべき、といった発想でプロセスを作り込むのです。

人の介在や作業は極力減らして現場の仕入や売上の管理システムの連動、給与システムとの連動、経費精算システムとの連動そして銀行預金(決済口座)との連動など、全てのデータが自動で取り込む事が可能になれば、入力など経理の皆さんの手間は大幅に減るはずです。

ぜひ、貴社のあるべき経理業務の流れを描き、経理業務プロセスを設計して下さい。大きく改革できるはずです。

では、大きく経理業務が改善されると経理は暇になってしまう?
いえいえ、経理の皆さんにはやって頂くことが沢山あります。

例えば、社長の相談内容の②に「見たい資料が出てこない」と書きました。

経営に役立つ資料、現場が見たい資料はいくらでもあるのです。

現場があっちこっちからデータを集めて製品別の原価をチェックしているとしたら、経理がシステムで出るようにしてあげれば現場の皆さんは凄く助かることでしょう。

ぜひ、経営の土台の経理業務品質を向上させてください。それによって業績の向上につながることを願っています。

本コラムのポイントを動画でも解説しています

 

経理業務改善

筆者紹介

株式会社アタックス戦略会計社 代表取締役会長 片岡 正輝
1952年生まれ。アタックス税理士法人の前身である公認会計士今井冨夫事務所に入社。現在は、アタックスグループの統括マネージャーとして、広範囲な知識と豊かな経験という両輪を武器に、経営・財務・会計業務を中心に計画経営の推進、経営再構築、事業承継等のコンサルティング業務に従事、経営者の参謀役として絶大なる信頼を得ている。
片岡正輝の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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