「オンライン商談」で明暗が分かれる営業力格差

営業

新型コロナウイルスの影響により、訪問営業がキャンセル、あるいは延期になった・・・

皆様の営業現場でもこのような声があがっているのではないでしょうか。

あたりまえだった面着による営業活動が行えない状況が続く中、急速に普及しているのが「オンライン商談」です。

オンライン商談とは、インターネット上でビデオ通話を通じてのコミュニケーションが可能になることから、直接訪問することなく商談を行うことです。

6月に入り緊急事態宣言は解除されたものの第2波、第3波の懸念、また新しい生活様式のもとでの営業活動として、導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか。

このように脚光を浴びる「オンライン商談」ですが、インターネットで「オンライン商談」を検索すると、専用のオンラインツールのプロモーションが過半を占め「オンライン商談」をどのように行うべきか、という肝心の部分はわからないまま、という方も多いと思います。

私共は、目標を最低でも達成させる「予材管理」というマネジメント手法にもとづく専用ツールを介し、業界業種あるいは規模を問わず多くの企業の営業活動の状態を常にウォッチしています。

そこから得られた知見をもとに、今回は「オンライン商談」による実際の営業活動へ与える影響について解説していきます。

営業力格差の拡大

「オンライン商談」に切り替えた企業の多くで、予め自身のシナリオを作り込んで進める営業と、場当たり的に御用聞きに終始する営業との間で、案件進捗に大きな差が確認されました。

特に、特定顧客からのリピートオーダーを主とするルート型セールスを展開する営業組織でその差は顕著です。

「オンライン商談」は面着と異なり、場の共有を通じて得られる情報が限られ、その場の話の流れにあわせて話の流れを切り替えることが難しくなります。

そのため、普段からお伺いして、その場の流れにまかせて商談することがあたりまえになっている営業では、一方的に自社の紹介に終始するか、交渉の論点も定まらないよもやま話に終わり、案件についてはまたお会いしてから、ということで先送り、立ち消えにつながることが増えています。

予めシナリオを作り込む営業と場当たり的な御用聞き営業の差は、営業活動の状態を言語化し共有されていれば簡単に見極めることができます。

予材管理では、このように「予め定めた営業材料」を組織で共有し管理します。そのため、「オンライン商談」でも着実に成果を上げることができます。

どのツールを使うか、どのように使うか、その前に

「オンライン商談」についてインターネットを調べると多くの「オンライン商談専用ツール」のプロモーションを目にします。

たしかに「オンライン商談」において画質や音質、画面割や資料の展開のしやすさなどの要素は、商談そのものをより良く進めるために必要な要素の一部であることは否定しません。

業界業種にあわせ、決済機能まで搭載されたようなものまで多種多様です。

また、カメラ映りを良くするアングルテクニックや、オンラインだから拘りたいパワーポイントの作り方、それらのテクニックもお客様の印象を良くすることに一役買うことでしょう。

しかし、それらは面着だろうがオンラインだろうが、その商談の場だけの話に過ぎません。

営業活動は、商談の場という「点」ではなく、目標達成から逆算された「線」であり、成否に影響を及ぼす様々な要因をも含めた「面」でなければなりません。

「オンライン商談」が目標達成にむけた営業活動、とりわけお客様との商談を促進するための一翼を担うツールとなることは間違いありません。

そうであればこそ、「オンライン商談」という新たな要素のみに振り回される前に、そもそも自社の営業がお客様あわせの行き当たりばったりの営業活動に終始していないか、営業活動そのものを見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 取締役副社長 桑原 賢一
1999年 同志社大学卒。大手化粧品メーカーにて、経営指導から現場販売員の指導育成に携わり、延べ100名以上のトップセールスの育成実績をもつ。アタックス参画後は、上場企業の営業戦略構築、小規模企業の営業組織に対しての直接指導、営業職の個別指導等にあたっている。コンサルティング支援における行動変革率は100%を誇る。
桑原賢一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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