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財務研修講座 財務デューデリジェンスの進め方⑩ 損益計算書をDDする

      2020/03/20

DDについて解説しています。
前回で貸借対照表のDDの説明は終了しましたので、今回は損益計算書のDDを説明します。

財務DDで損益計算書を見るポイントは、大きく以下の2つです。
①粉飾されていないか?
②収益の源泉はどこか?

順に解説します。

1.粉飾されていないか?

粉飾といっても2種類あります。
①詐欺的な粉飾
一つは、意図的に費用計上を排除したり、架空の売上高を計上して、赤字を黒字にするものです。売り手としては高く買ってもらいたいので、利益を増やすインセンティブが働きます。
例えば、以下のような手口があります。
・売上高の架空計上
・原価や費用の未計上
・在庫のカサ増し
・償却金額の意図的な削減
などです。
このほか、ロイヤリティーを契約通りに支払っていないなどの契約違反で他社を巻き込んでいるケースもありますので、注意が必要です。

②費用の後ろ倒し
もう一つは、広告宣伝や修繕を意図的に後ろ倒しにして、利益を増やすものです。
詐欺的ではありませんが、売却に備えて利益を増やす目的で、通常であれば毎年一定の費用を支出するのを一時的ストップするようなものです。
これを見逃すと、買収後に収益が下がるリスクがありますので(これまでストップしてきたため、一気に費用を支出しないといけなくなるため)、目論見が外れます。
すべき投資をしているかどうかは、費用の過去の数字の動きやビジネスモデルからの違和感からの分析、設備の状況を目視するなどの分析で発見します。

これらをDDで発見し、正常な収益力はいくらかを再計算し、買収価格の計算の下資料にします。

2.収益の源泉はどこか?

いわゆるセグメント分析といわれる分野です。
儲かっていても、ある商品から得られる収益が膨大で、他の商品はまったく儲かっていないなどのケースでは、その儲かっている商品の今後の状況や儲かっている理由を確認することがとても大切になります。
その商品がダメになれば、その企業は赤字になるかもしれないからです。
また、儲かっていない商品を把握することで、その商品の扱いや製造をストップすることで、そこに投入している経営資源を他の可能性のある商品の強化に振り向けられ、結果、収益を拡大することができるかもしれません。
このセグメントには以下のような種類があります。
①商品別
②部門別
③国別、地域別、支店別
④人別
などです。この分析では、徴収できる資料にもよりますが、できれば売上総利益までは分析したいものです。

この分析に必要な資料は、決算書からは得られません。このため、社内の管理資料の提出を依頼し分析します。

3.子会社買収の注意点

子会社を買収する場合、いわゆるスタンドアローン問題が生じます。
子会社は、親会社から有形無形のサービスを得ていることが多いのですが、ほとんどのケースで買収後には、もともとの親会社からそのサービスを受けられなくなってしまいます。
よって、これが子会社の収益にどの程度影響を及ぼすかを確認しておく必要が出てきます。

買収後のオペレーションのイメージを明確にして、DDすることが大切です。
DDには財務的なスキルだけでなく、このようなスキルも大切です。

4.まとめ

損益計算書のDDのポイントは以上です。
粉飾発見は、貸借対照表のDDとも密接に関連しますので、貸借対照表DDのチームとも情報交換を密にして進めます。
セグメント分析は、社内の管理会計の資料がベースになりますが、往々にして、決算書の数字と一致しません。例えば、管理会計の売上高合計額と決算書の売上高が一致しないなどはよくあります。なぜそのようなギャップが出ているのかの理由も確認します。粉飾の可能性もありますので、その情報の共有もしっかりすることになります。

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