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財務研修講座 財務デューデリジェンスの進め方② 財務DDの準備とは?

      2020/03/20

財務DDの手続きについて説明します。
貸借対照表から順に説明しますが、まずは、具体的な調査業務に入る前に最低限チェックしておくべき資料などの説明を行います。

1.基準日を決める

DDの対象会社(以下、対象会社)の決算期に合わせて、調査する決算書を決定します。12月決算の会社に対して、2020年5月にDDを実施するのであれば、2019年12月決算の決算書が一番近いですので、この決算書が正しいかどうかをDDします。
この2019年12月期のことを「基準日」といいます。

また、過去3年くらいの決算書を並べて、金額に異常な動きがないかもチェックします。
2019年12月期基準であれば、2017年12月期、2018年12月期、2019年12月期(基準日)の3期程度は並べます。
並べて眺めてみた結果、売上高はあまり変わらないのに売掛金や在庫が異常に増えているなどのことがあると、回収できていない売掛金の存在や売れ残っている在庫の存在を疑います。
これら正常ではない売掛金や在庫は、DDにおいて、その時価を算定し、その時価まで決算書上の金額を修正するなどします。
このように、期間を並べて「あたり」を付けた後、現金から順に勘定科目の中味をDDしていきます。

2.ビジネスモデル、会社概要、組織図などを理解する

ビジネスモデル別に起こりうる財務リスクに特徴があります。
このため、対象会社がどんなビジネスをしているか理解することはとても重要です。
簡単な例を挙げると、ファッション業界であれば、「流行おくれ」という名の不良在庫を抱えやすいので、在庫のDDを重点的にすることになります。
返品可能という場合もありますので、どんな商品(どんな仕入先)で返品可能なのかを具体的に調査することも必要になります。

また、特殊は販売契約をしていると売上高がカサ増しされているリスクがあります。
例えば、メーカーが得意先である卸売業者に対して出荷し製品を引き取ってもらい売上を計上するも、一定期間売れない場合は返品される、というような場合に一定期間を経過していなければ実施的には売上とは見做せない可能性があるため、その取引から得られる利益は控除す必要があります。
そのほか、循環取引などで、実質一つの取引を当社から外部へ外注、それを当社が受注しなおし、さらに外注し、また当社が受注し、などでカサ増しすることもあります。

会計処理上もよろしくありませんが、中小企業の場合、監査を受けることはありませんので、このようなことが行われることがあります。
まれに、会計上はよくても経営上は実態的ではないということもあります。
これらの「手口」はある程度、事例がたまっていますので、経験豊富な専門家に依頼すると、発見が早くなります。
これらはとても簡単な例ですが、対象会社のビジネスモデルによって、DDのポイントが異なることを理解いただけると思います。

会社概要ですが、子会社があるのか、工場が複数あるのか、などをチェックします。
子会社があると、子会社に対して不良資産を押し付けているケースもありますので、調査対象に子会社を含めたり、子会社との取引を重点的にチェックしたりします。
工場がどこにあるのかを確認しておくと、在庫の資料を入手したときに、その資料が全工場分あるかどうか、つまり抜けがないかどうかのチェックができます。

組織図ですが、メーカーであれば、原価計算の範囲が正しく認識されているか、どこが儲かってどこが儲かっていないを調査するときに、どのように区分して調査するかなどの判断材料にします。

他にも、たくさんの参考にすべき点がありますが、ビジネスモデルなどの基礎的な情報がなぜ必要なのかを理解いただき、不明点があれば、対象会社に質問していただければと思います。

次回に続きます。

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