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財務研修講座 決算書が読めて活用できるようになるシリーズ⑬ 貸借対照表を使いこなすには?~時価貸借対照表~

      2020/03/20

本日も、貸借対照表の経営への活かし方を説明します。

前回は、経営分析を利用した貸借対照表の使い方を説明しました。
さらに、貸借対照表を有効活用するには、
・時価
の考え方を取り入れるといいと思います。

1.時価とは?

売掛金の中に、回収できないものがあれば、その時価はいくらでしょうか?
貸借対照表に100万円とあっても(これを簿価といいます)、回収できなければ、0円の価値しかありません(これを時価といいます)。

在庫の中に、売れない在庫があったらどうでしょうか?
貸借対照表に200万円とあっても、回収できなければ、0円の価値しかありません。

これが時価の考え方です。

会社の管理が甘いと、資産の本当の価値がいくらかがわからないことがあります。
また、価値がない資産があるという都合の悪いことから目をそらしたいせいか、それを貸借対照表に反映することをためらったりします。
これでは、会社の本当の体力がわからなくなります。
下表の黄色の部分が、簿価と時価に差額がある部分です。

2.簿価を時価に修正する事例

簿価と時価の差が生じる主なケースは以下です。

(1)資産側
①売掛金
・回収不能な売掛金があれば、回収可能額まで修正します(価格を下げることを「評価減する」といいます)

②在庫
・陳腐化などで売れない原価を割らないと売れない在庫は売れる金額まで評価減する
・不良在庫で売れないものは、スクラップ金額などまで評価減する
・数量が間違って計上されている在庫は実際にある在庫数量まで評価減する
・原価計算を間違えて、本来100円の価値を150円で計算している場合、本来の額まで評価減する

③貸付金、仮払金、立替金
・返済が滞っている場合、担保があればその処分価値まで評価減する

④固定資産
・使っておらず価値のないものは、処分価額まで評価減する
・すでにないが、貸借対照表に計上されているものは0円まで評価減する

⑤子会社出資金
・子会社が業績不振で倒産寸前などの状況なら配当での回収可能額まで評価減する

(2)負債側
①退職金
・社員が退職金した場合、退職金を会社が負担して支給しないといけない場合、その決算時点で全員が退職したと仮定して、その額を計上する。

②債務保証
・子会社など他社の借入金の連帯保証をしている場合、その会社が倒産寸前で連帯保証を履行しないといけないリスクがある場合、連帯する額を計上する。

③損害賠償
・製品保証や裁判などで、将来的に負担しないといけない額があればその額を計上する。

3.実質債務超過になることも

上記の評価減や隠れ債務を計上した結果、資本の部がプラスからマイナスになることがあります。
これは実質債務超過と呼ばれ、金融機関が最も気にするところです。
債務超過は倒産可能性が高いからです。

4.まとめ

時価の考えを取り入れて貸借対照表をより有効に使えることになります。
資産は必ずキャッシュにならないといけませんが、時価評価をすることでキャッシュにならない資産を削除することで貸借対照表はより正しい状態で表示されます。

少なくとも決算終了後には、時価貸借対照表を作成するといいと思います。

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