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財務研修講座 決算書が読めて活用できるようになるシリーズ⑫ 貸借対照表を使いこなすには?~経営分析編~

      2020/03/20

本日は、貸借対照表をどう使いこなすかがテーマです。

まず、基礎編として、経営比率分析を中心に解説します。

1.代表的な比率

貸借対照表で代表的な比率は以下です。
①総資産当期利益率
②売上債権回転率、在庫回転率、買入債務回転率
③自己資本比率
④有利子負債倍率
⑤現預金月商倍率
これら比率の計算には損益計算書の売上高や利益を計算に使いますが、ここで説明します。
※他にも、当座比率、流動比率などいろいろありますが、上記で十分だと思います。

それぞれ説明します。

2.総資産当期利益率

意味するところが、ズバリ、
・利回り
です。
ビジネスは財務的には、
・キャッシュを集めて、投資して、集めたキャッシュ以上で回収して、上回った部分を関係者で配分する
行為です。
上回った部分が利益です(現代経営では利益≠キャッシュですが、これは以前に説明しました。)

よって、いくら上回ったかを表すこの総資産当期利益率は最も重要な指標です。
英語では、ROAと呼ばれます。利益には当期利を使ったり営業利益を使ったりしますが、最終的な利益である当期利益でいいと思います。

ビジネスは他の投資行為に比べてリスクが高いものです。
最も安全な銀行預金や国債投資でも、銀行預金は日本ではこの数十年は低い水準ですが、諸外国では3~5%となっています。
つまり、もしROAが5%以下の場合、
・ビジネスをやめて、すべてを現金に戻し、それを元手に預金したほうが儲かるね、
ということになってしまいます。
もちろん、雇用創出など財務では測れない価値がビジネスにはありますが、やはりビジネスは経済活動ですから、低い利回りを看過するわけにはいきません。
ROAは、ビジネスが原理原則通りに運営されているかを図る最も重要な指標です。
よって、まずはこれをチェックします。

3.売上債権などの回転率

3つまとめて解説します。
それぞれ、売上高に対して、売上債権(受取手形、売掛金)、在庫(製品、商品、材料、仕掛品、半製品)、買入債務(買掛金、支払手形)がどれくらいあるかの比率です。
計算式は、
・売上高÷売上債権
です。売上債権は期首と期末の平均をとります。

意味は、売上債権回転率が12回の場合、
・現金化までに1か月かかっている
というイメージです。今月の売上高を翌月に振り込んでもらう感じです。現代は一部の小売店やIT、サブスク以外のビジネスではほぼ掛けで商売しますので、12回が目指すべき回転率になります。
これが、6回だと、
・現金化までに2か月かかっている
となります。
このため、この回転率は
・数値が大きいほど良い
となります。

売上債権や在庫はそのまま滞留させるのではなく、すぐにキャッシュして再投資(次の商売)をしたほうがビジネスチャンスが広がります。
滞留しているとキャッシュがなかなか増えませんので、経費を支払うために、借入をすることにもつながります。借金が増えるとリスクが高まります。
※どうせ借金するなら、借金した分をそのまま預金にして、天変地異などの突発的なことに備えたほうがいいと思いますし、このような借金はしっかりすべきだと思います。

買入債務回転率も数字が大きいほうがいいと思います。
・12回だと毎月支払う、6回だと2か月まとめて支払う
ので、資金的には6回のほうが助かるのではないか?
と思われるかもしれませんが、支払が悪いと、サプライヤーが付き合ってくれなくなるリスクが高くなると思います。

4.自己資本比率

計算式は、
・自己資本÷総資産
です。
・投資している資産総額の内、何割を自分のお金で賄っているか?
という意味合いです。

貸借対照表は、右側に調達がありそれは、他人からの調達(負債)と自分による調達(資本)がありました。
また、その合計額をビジネスのために投資し、その投資内容は左側に資産として表示されることになっています。

調達のうち、負債は他人に返済する必要があります。ので、できれば、負債による調達の割合は抑えたいとなります。逆に言えば資本の割合を上げることになります。
この割合が自己資本比率のため、自己資本比率は高いほうがいいとなります。

50%が安全と言われますが、注意が必要です。
・自己資本はキャッシュではない
ということです。

自己資本が100億円あっても、キャッシュが100億円あるわけではありません。資産はありますが、資産はすべてキャッシュではありません。
よって、自己資本だけ見ていても安全かどうかは判断できません。

5.有利子負債倍率

これも安全性を表す指標です。
計算式は、
・有利子負債÷協議のキャッシュフロー
です。
有利子負債は、中小企業では借入金で結構です。
協議のキャッシュフローは、
・利益+減価償却費
です。利益+減価償却費は、キャッシュフロー計算書の一番上の2つです。現代経営では、利益≠キャッシュですが、簡易的にキャッシュフローを把握する場合、この利益+減価償却費を使います。

この比率の意味合いは、
・借金が、その年のキャッシュフローの何倍あるか?
です。それはつまり、
・何年分か?
になります。
借金は5年~10年の返済計画で調達しますので、この指標は10倍が目安です。
10倍を超えてくると、
・毎年の協議のキャッシュフローでは(利益水準)では、10年内に返済しきれない、
となります。

となると、銀行が嫌がり、警戒し始めます。銀行が慎重になると、その会社の資金繰りに影響が出始めます。

6.現預金月商倍率

これも安全性を表す指標です。
計算は、
・現預金残高÷月商
です。
業種業態にもよりますが、現預金は不測の事態に備えて、月商の3か月分はキープしたいところです。よって、この倍率は3倍以上が目安です。
ここが盤石だと、売上高が突然失われても
・数か月は経営を保つことができる
ことになります。

7.まとめ

今回は、比率を用いて貸借対照表の使い方を解説しました。
次回は、さらに重要な「時価貸借対照表」について解説します。

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