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財務研修講座 決算書が読めて活用できるようになるシリーズ⑧ 仕訳に慣れよう(3)

      2020/03/20

仕訳について説明しています。

本日は、「売上原価」に関する仕訳をご紹介します。

1.売上高と仕入高

売上原価は、売上に対応する原価です。
商品を仕入して販売する業態では、販売した商品の仕入値が売上原価になります。

仕入をした時には、以下のような仕訳をします。
・商品を100万円購入し、すぐに振り込みで支払った。
→(借方)仕入高 100万円/(貸方)銀行預金 100万円

しかし、この100万円すべて売れるとは限りません。
現実には、仕入れた商品がその年度のうちに売り切れることはまれで、普通は売れ残って翌年に繰り越して販売します。
この売れ残った商品を「在庫」と呼びます。商品の場合は商品在庫、製品の場合は製品在庫、となります。
勘定科目上は単に商品、製品として仕訳します。

2.売れ残った商品はどう仕訳したらいいか?

上記の100万円の仕入れで、商品が売れ残った場合、仕入高を100万円のままにしておくと問題が生じます。

例えば、仕入高100万円の内訳が1個10万円の商品が10個だった場合で、その年の販売が4個で販売単価15万円(=売上高60万円)だった場合、仕入高100万円をそのままにすると、

  売上高  60万円
-)仕入高 100万円

となり、40万円の赤字となってしまいます。

実際には4個しか売れていませんので、それに対応する仕入単価の10万円を掛け算した40万円が60万円に対応する原価とならなければなりません。

このためには、売れ残りの商品6個分(6個×10万円=60万円分)を仕入高からマイナスしてやる必要があります。

これには、以下のような仕訳を起こします。
→(借方)商品 60万円/(貸方) 期末商品棚卸高 60万円

貸方には仕入高ではなく、「期末商品棚卸高」という特殊な科目を使います。
これにより、上記の利益計算は、以下のように補正されます。

  売上高      60万円
-)仕入高     100万円
+)期末商品棚卸高 60万円

よって、利益は60万円-100万円+60万円で20万円となります。
つまりは、60万円-40万円です。

貸方に仕入高にではなく「期末商品棚卸高」という特殊な科目を使うことで、
・仕入の総額
が表示されます。この数値も経営には有用な情報なので、仕入高を直接に貸方にせずに、期末商品棚卸高という科目を使います。

これは、月末や年度末に起こす仕訳で、日常的にするものではありません。
商品の棚卸をし、経理にその数字を報告する仕事をされることがあるかと思いますが、この商品棚卸の数字は、
・商品/期末商品棚卸高
となって決算書に反映され、利益が確定することになります。
棚卸を間違えると利益が間違ってしまいますので、とても困ります。慎重に棚卸しましょう。

なお、
-)仕入高
+)期末商品棚卸高
の部分は、決算書(損益計算書)では、
・売上原価
と表示されます。

よって、上記の表は、

  売上高   60万円
-)売上原価  40万円

と表示されます。簡単に20万円の利益が計算されます。この段階での利益は「売上総利益」のことですね。

3.売れ残って繰り越してきた商品はどうするか?

事業活動は、1年を超えて続いていきますので、前期末に商品が売れ残った商品は、今年に売り切ることになります。
このため、繰り越してきた商品を一旦、売上に対応する原価である仕入高に戻します。
しかし、仕入高に戻すとき、購入した仕入高と区別し、以下のような仕訳で処理します。

→(借方)期首商品棚卸高 60万円/(貸方)商品 60万円

上記で「期末商品棚卸高」という科目を使いましたが、その年度初め版のような科目です。
この仕訳をすることで、前期末に60万円あった商品は0円になり、期末商品棚卸高という売上原価が増加します。

この60万円の商品がすべて売れたら(販売単価15万円)、期末に残る商品在庫は0円です。

  売上高     90万円(6個×15万円)
-)期首商品棚卸高 60万円
-)仕入高      0万円(今年は購入していないため)
+)期末商品棚卸高 0万円(すべて売れたため)
となり、利益は90万円-60万円=30万円です。売上原価は60万円です。

もし、2個売れ残れば、期末に残る商品在庫は20万円です。

  売上高     60万円(4個×15万円)
-)期首商品棚卸高 60万円
-)仕入高      0万円(今年は購入していないため)
+)期末商品棚卸高 20万円(2個×10万円)
となり、利益は60万円-60万円+20万円で20万円です。

検算ですが、10個すべて売り切れば、

  売上高   150万円(10個×15万円)
-)売上原価  100万円(10個×10万円)
で利益は50万円です。上記の緑色の20万円と赤色の30万円を足し算した金額です。

2個売れ残ると、

  売上高   120万円(8個×15万円)
-)売上原価   80万円(8個×10万円)
で利益は40万円です。上記の緑色の20万円と青色の20万円を足し算した金額です。

検算と合致しますので、売れ残った商品に関する仕訳は上記で正解となります。

慣れないとややこしいかと思いますが、売れ残ったら、仕入高から控除するという意味合いなので、概念的には簡単だと思います。

製品在庫も同様の仕訳を行います。商品が製品に変わるだけです(製品、期首製品棚卸高、期末製品棚卸高)。
なお、製品は商品と違って単価が簡単には分かりません。商品は10万円で購入すればそれに個数を掛け算すれば金額になりますが、製品を製造するには、材料の購入や製造経費が絡みます。
よって、製品の単価を計算するためには「原価計算」という技術を使います。後日まとめて説明したいと思います。

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