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財務研修講座 決算書が読めて活用できるようになるシリーズ④ 決算書はどうやって作られるか?

      2020/03/20

前回までに3つの決算書を眺めていただきました。
本日は、決算書ができるまでの流れを解説します。

決算書を使いこなすには、決算書がどのように出来上がるのかを知っておかれると役に立つと思います。
決算書に異常値があった場合、その度合いや理由を確認することになりますが、それには、決算書を作成するに際して使用した資料を確認するとその後の分析調査作業がやりやすくなります。
無味乾燥かもしれませんが、理解していただければと思います。

1.決算書ができるまでの大まかな流れ

決算書を使いこなす、の定義には、ただ単に「判断する」「分析する」だけでなく、「業績を改善する」「結果を残す」ことを含みますので、これを実現するには、決算書を深く分析をしたり、未来の決算書を組み立てたりする技術が必要になります。

これには、決算書ができるまでの流れを理解することが、早道だと思います。

大まかな流れは以下です。次の3つステップで決算書が出来上がります。

ステップ1:日々の取引を「仕訳」として記録
ステップ2:仕訳を勘定科目ごとに集計(総勘定元帳の作成)
ステップ3:勘定科目ごとに集計した金額を決算書に転記

今の時代は、会計ソフトを使って決算書が作られます。
請求書などの資料を見ながら、会計ソフトに仕訳を入力すると、その後は会計ソフトが自動で総勘定元帳や決算書を作成してくれます。

2.仕訳とは?

決算書作成のスタートは、ステップ1の仕訳です。
仕訳とは、決算書を作成するために、日々の取引を記録するものです。
ここで、いわゆる簿記の知識を要求されます。
借方(かりかた)、貸方(かしかた)といわれるものです。
借方、貸方の区別は、まずは、借方は左側のこと、貸方は右側のこと、くらいでいいと思います。

仕訳は以下のようなものです。
①(借方)交際費 10,000/(貸方)現金 10,000
これで一つの仕訳です。

このように、日々の取引を「理由と結果」をセットにして記録します。
理由と結果という二つの事柄を記録するため、右側と左側を使って記録します。
上記①でいえば、
・現金が10,000円減った(結果)。理由は交際費として支出した。
という感じです。

例えば、
・商品を10,000円で販売した。販売代金はすぐに現金で受け取った。
という取引なら、
②(借方)現金 10,000円/(貸方)売上高 10,000円
という仕訳になります。

なぜ、現金が左側に来るのかというと、貸借対照表を見ていただくと、左側に流動資産というのがありますが、現金はこの流動資産に属する資産として区分されます。
つまり、もともと「左側におかれる」という性質のものなので、それが増えたら、左側に置く、というルールになり、それが減れば、右側に置く(①の仕訳)、となります。
※なお、現金や売上高など仕訳で使うものを「勘定科目」といいます。一般に科目と略します。

他には、例えば、
・新聞代500円を現金で支払った。
という取引であれば、現金は減りますので、右側に仕訳されます。
③(借方)新聞図書費 500円/(貸方)現金 500円

なお、売上高など損益計算書に属するもので「収入」を表す科目は、増えれば右側に、減れば左側に仕訳されます。
新聞代や給与など「支出」に属する科目は、支出したら左側に、何らかの理由で返金されたりして減れば右側に仕訳されます。

このあたりは決め事なのでまずは丸暗記でいいと思います。

このように、請求書や経費精算書などの資料を見ながら、コツコツと仕訳を会計ソフトに入力していきます(仕訳を起こす、などと言ったりします)。

上記の他に代表的な仕訳は以下です。

④商品10,000を仕入れて、現金で支払った。
(借方)仕入高 10,000/(貸方)現金 10,000
⑤商品代金を販売する前に事前にいただいた。
(借方)現金 10,000/(貸方)前受金 10,000
⑥上記⑤のお客様に商品を発送した。
(借方)前受金 10,000/(貸方)売上高 10,000
⑦借入をした。
(借方)現金 10,000/(貸方)借入金 10,000
⑧借入金を返済した。
(借方)借入金 10,000/(貸方)現金 10,000
⑨機械を購入した。
(借方)機械 10,000/(貸方) 現金 10,000
⑩商品を販売したが、掛け売りして入金は後日と言われた。
(借方)売掛金 10,000/(貸方)売上高 10,000

3.元帳とは?

ステップ1で仕訳をコツコツとに起こしました。
会計ソフトでは、これら仕訳を勘定科目別に集計します。
この作業がステップ2です。

仕訳はたくさんありますので、科目も重複してたくさん出てきます。上記の例では、「現金」という科目が何度も登場しています。
現金が増えたり、減ったりしています。
この増減を集計して、結局、今月は、増えたのか減ったのかを集計し、前月末に残っていた現金残高に加算したり減算して、今月末の現金残高を計算します。
これを行うのが、「元帳」です。

例えば、毎日売上があるような小売店の場合、販売するたびに
・(借方)現金 100円/(貸方)売上高 100円
・(借方)現金 300円/(貸方)売上高 300円
・(借方)現金 400円/(貸方)売上高 400円
などと仕訳していきます。
上記の現金の合計は、100円+300円+400円で800円です。つまり現金が800円増えたことになります。

元帳は以下のようなイメージです。
下記は「現金」の元帳です。

現金は、もともと左側にある科目なので、現金が増える+の取引は左側に金額が集計され、減る-の取引は、右側に金額が集計されます。
取引ごとに一行前の残高に+-して、取引ごとに毎行、残高を計算します。

3月31日決算の会社は、4月1日から新しい元帳を作成します。1年間ずっと下に続いていきます。また、現金だけでなく、すべて科目ごとに作成されます。

摘要を見ると、現金の増減理由が分かります。大きな金額が動いた場合は、管理者はその仕訳の元になった請求書などをチェックすることになります。

4.元帳から決算書へ?

最後に、元帳から決算書へ数字が転記され決算書が出来上がります(厳密には、元帳→試算表→決算書という流れになります)
これが、ステップ3です。

仕訳は元帳に科目別に集計され、科目別に増減を反映した「残高」が計算されます。
この残高は、決算書を作成するタイミングで、決算書に転記されます。
転記とは、リンクが貼られているようなもので、サンプルの現金の元帳では、4月末の決算書を作成するときには、元帳の34,500円が、貸借対照表の現金に飛んでいきます。
現金以外の科目も同じように飛んでいき、結果、決算書(損益計算書と貸借対照表)が作成されます。

このため、決算書を見て、異常な金額を発見したら、その前工程の元帳を見て、それでもよくわからない場合は、仕訳を見て、かつその仕訳の元になった請求書などをチェックするとなります。
この流れは決算書が出来上がる流れの逆になりますので、決算書が出来上がる流れを知っていると、遡りやすい、となります。

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