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財務研修講座 決算書が読めて活用できるようになるシリーズ① 損益計算書を眺めてみよう

      2020/03/20

本シリーズは、ビジネスマンに必要なスキルとしてあげられる「財務」に関する記事を投稿します。
まったく財務を学んだことがない方を対象に、厳しいビジネス社会を生きるためのスキルアップに役立てていただくことを目的にしています。

今回は、損益計算書という決算書を眺めていただきます。

1.決算書とは?

決算書は、経営がうまくいっているか、ダメなのかを表す通知表です。
税法などの制度的には1年に1回、正式な決算書を作成します。
ただ、経営的には、毎月、決算書を作成し、先月の経営活動がどうだったかを確認し、次のアクションに活用します。PDCAサイクルのCの部分ですね。

とりあえずの判断基準は、うまくいっていれば黒字、ダメなら赤字、というものです。
もちろん、黒字でも獲得までのプロセスがおかしいと長くは続きませんので、どのように結果を出したかも大切な視点です。また、その黒字額が妥当か否かの判断も必要です。

決算書は主に以下の3表で構成されます。
・損益計算書
・貸借対照表
・キャッシュフロー計算書

通知表ですから、○×の判断基準がありますが、企業経営での○×判断基準は、大掴みしていえば以下の2つです。
・黒字額は適正か?
・借金は多すぎないか?
赤字続きでは倒産しますし、黒字であっても借金が多すぎるとバブル崩壊やリーマンショックのような急な変化に対応することができません。

2.まずは損益計算書をざっと見てみよう

損益計算書から眺めてみましょう。
損益計算書は、黒字か赤字かを確認できる決算書です。

それでは、下記の損益計算書を見て、ありのままに数字を追ってみてください。

【損益計算書】

この会社は、売上高が(     )円あり、その売上のための商品原価は(    )円だった。結果、商品売上で(      )円の利益が出た(売上総利益)。
しかし、人件費や電気代などの営業や管理に必要な経費が(     )円かかり、その経費を差し引くと、利益は(     )円になった(営業利益)。
また、受取利息など商品販売行為以外の収入が(     )円あり、逆に、支払利息など商品販売行為以外の費用が(   )円あったので、営業利益にこれを加減計算すると、利益は(     )円になった(経常利益)。
さらに、古い設備を処分したので、ロスが(    )円発生したので、利益は(     )円になった(税引前当期利益)。
決算で、税金を(      )円かかると計算されたので、最終的な利益は(     )円となった(当期利益)。

■穴埋め回答■
この会社が商品販売会社だとすると、売上高は1,000,000円あり、その売上のための商品原価は800,000円だった。結果、商品売上で200,000円の利益が出た(売上総利益)。
しかし、人件費や電気代などの営業や管理に必要な経費が150,000円かかり、その経費を差し引くと、利益は50,000円になった(営業利益)。
また、受取利息など商品販売行為以外の収入が1,100円あり、逆に、支払利息など商品販売行為以外の費用が500円あったので、営業利益にこれを加減計算すると、利益は50,600円になった(経常利益)。
さらに、古い設備を処分したので、ロスが600円発生したので、利益は50,000円になった(税引前当期利益)。
決算で、税金を20,000円かかると計算されたので、最終的な利益は30,000円となった(当期利益)。

いかがでしょうか?
黒字でしたので、まずはよかったですね。
慣れてくると、黒字の額が気になるようになります。

さて、ざっと見ていただいくと、さまざまな「利益」が出てくるのに気づくと思います。
全部で、5つあります。
・売上総利益
・営業利益
・経常利益
・税引前当期利益
・当期利益

順に説明します。

3.損益計算書の5つの利益

①売上総利益
例えば、卸売業のようにモノを仕入れて販売する会社の場合、販売した商品の売値の合計が売上高に、その商品の仕入値の合計が売上原価になります。

売上総利益は、この売上高から売上原価を差し引いた「利益」です。
お客様から直接にいただいた利益という感じですね。

100円の商品を120円で売れば、売上総利益は20円です。
高く売れれば売上総利益は増えますし、値引きすれば減ります。魅力的な商品であれば高く売れますので、売上総利益は増えます。
つまりは、お客様が、
・魅力的な商品だな、魅力的な会社だな
と思って、支持してくれると増えるとなります。つまりファンが増えると売上総利益は増えるともいえます。

このほかにも、仕入値を抑えることで増やすこともできますが、あまり値切ると仕入先から嫌われて仕入ができなくなることもありますので注意が必要です。

また、売上高は、販売する商品の数量×単価ですから、数量を増やすことでも売上高を増やすことができ、売上総利益も増やすことができます。
ただ、これも注意が必要で、あまりに量を増やすと、販売手間もそれに比例して増えていき、費用がかかってしまいます。
よって、量を増やす場合、効率的に販売できるような仕組みも併せて必要です。

売上総利益は、お客様から直接にいただく利益で、これから説明する、給与や家賃などの経営活動に必要な費用を賄う利益でもありますので、最も重要な利益とも言えます。
なお、倒産するような会社は、倒産の数年前から、この売上総利益が減っていきます。
売上総利益が減るのは、お客様からの支持が得られなくなってきたことの一つの証ともいえます。お客様から見放された会社は倒産に追い込まれてしまいますね。

②営業利益
売上総利益から販売費一般管理を差し引いた利益です。
販売費一般管理(以下、販管費)は、その名前のとおり、販売や管理にかかった費用です。
例えば、社員の給与、広告費、家賃、電気代、運賃などです。
これら費用は、売上高を確保するために必要な費用です。

仕入値も売上高を確保するために必要な費用ですが、売上高から段階的に差し引いていき、各段階で利益を計算します。
まず、売上高から仕入値(売上原価)を引いた売上総利益を計算し、その後に、営業利益を計算します。
こうすると、営業利益が減ったときに、仕入が悪かったのか、広告費などの費用の使い方が悪かったのかなどが分析しやすくなります。
このため、日本の損益計算書では、5つの段階で利益を計算し、経営分析に役立てます。

営業利益は、仕入、販売、管理の経営の最も重要な活動にかかる費用を差し引いた後に計算される利益であるため、経営者が最も気にする利益です。
また、会社が事業をするために銀行から借金をしている場合、その利息を支払う原資となるのは、この営業利益です。営業利益の下に、営業外費用というのがあると思いますが、ここに支払利息が含まれています。
よって、銀行が最も気にする利益もこの営業利益になります。
銀行から見放されると事業に必要な資金を調達できなくなりますので、営業利益が黒字であるということは重要なことでもあります。

③経常利益
営業利益から、利息などの金融関係の費用を差し引いて計算される利益です。
営業外利益には、主に受け取る利息が、営業外費用には、主に支払う利息が含まれます。会社も現金を預金していますので、利息を受け取ります。借金をしていれば、利息を支払います。
事業には資金が必要ですが、その資金を自分だけで調達できなければ、銀行から借金するのが一般的です。
何年も黒字が続くと借金しなくてもよくなりますので、営業外費用は減っていきます。
となると、営業利益と経常利益のギャップは少なくなります。
受け取る利息が増えてくると、営業利益<経常利益の状態になります。

つまり、経常利益は、その会社が
・資金力があるかないか
が反映される利益となります。

なお、過去の黒字で不動産を購入してそこから家賃収入がある場合、その収入は営業外収益に計上されます。先ほど、受け取る利息と同じ効果がありますので、それらが多額になれば、営業利益<経常利益となります。
不動産も預金もそれらがたくさんあれば、その会社は資金力がある、と言えますので、まれに赤字になっても、しばらくは倒産せずに経営を続けることができるとなります。

事業して売上高を確保するには、これら金融活動も必要になりますので、それを反映した経常利益は、会社の総合的な利益である、と扱われています。

④税引前当期利益
事業をしていると突発的な事柄も発生します。
例えば、機械が突然壊れて廃棄したり、昔購入した不動産を売却したり、などのことです。
これらのことは、あっても数年に1回で、売上高の確保には直接的には関係のないことです。
これらの事象から発生する利益や損失を処理するのが、特別利益や特別損失です。
税引前当期利益は、経常利益にこの特別な項目を差し引きして計算する利益です。
突発的なことがなければ、経常利益=税引前当期利益となります。
これら突発的な利益や損失は、この後に税金を計算する際に反映する必要があります。
ただ、突発的な特別項目なので、経常利益とは別の税引前当期利益という利益を設けて、わかりやすくしています。

⑤当期利益
税引前当期利益から税金を差し引いて計算する会社の最終的な利益です。
この利益が黒字で、毎年、累積させることができれば、会社の資金力は強化されていきます。

4.まとめ

本日は、決算書のうち、最も知られている損益計算書を眺めていただき、何が書かれているのか、また5つの利益の概念について説明しました。
業種によっては、損益計算書の費用(原価)の部分表現が変わります。これらは後々説明していきたいと思います。

決算書を自由に扱えるようになるといろいろなメリットがありますので、是非使いこなしていただければと思います。

次回は、貸借対照表を眺めていただきます。

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