江守グループホールディングス(株)が中国ビジネスの失敗で倒産
2017/01/19
東証1部上場の江守グループホールディングス(株)が、4月30日に倒産しました。
倒産要因を一言で言うと、
■中国子会社の売掛金が焦げ付き、連鎖で日本親会社が倒産
ということのようです。400億円の特別損失のほとんどが、中国子会社が作った滞留債権の焦げ付きとの情報もあります。
この中国子会社は中国系企業に販売していたとの情報があります。中国では、キャッシュオンデリバリーが基本です。それをあえて掛け売りしたのは、売上偏重主義とか、担当者がバックリベートをもらっていたとか、などのあまりよろしくない要因が推察されます。ただの架空売上かも知れませんが。
中国に限ったことではないですが、海外でビジネスする際にやってはいけないことの典型的なケースかと思います。途上国では、支払いを遅らせることができれば、支払担当者は評価されるくらいの商慣行が残っていますので、注意が必要です。
掛け売りする場合、上記のような事態を防ぐには、以下の手立てが必要です。
①日本と同じような感覚で売掛金回収管理を行う。
・仕組み構築は当然ですが、それを管理/チェックする現地社長にチェックの仕方を教育してあげないと、ノーチェックで報告されてくる可能性がありますので、教育までセットでの制度が必要です。
②日本でも現地子会社の会計仕訳を見られるようにし牽制する。
・売掛金の消込仕訳などの会計仕訳が日本でも見られるような仕組みを作り、現地に対して「見られている」という意識を持たせる。今は、リアルタイムで現地の会計仕訳が見ることができるソフトが販売されているのでそれらの導入も選択肢の一つです。
③定期的に現地に赴き、回収監査を行う。
・売掛金発生の裏付けとなる出庫履歴があるかどうかなどで架空計上をチェックする、約定回収がされていない場合は販売先に直接確認に行く、などの行動が必要です。
海外売上が伸びることはいいことですが、リスクも大きくなりますので、より一層の注意が求められます。