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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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中国撤退、組織再編シリーズ 清算(1)

      2017/01/19

中国進出日系企業の撤退ニュースが新聞を賑わしています。そこで、このシリーズでは清算、持分譲渡、組織再編などの手法を解説します。ニューノーマルに移行する中国の環境変化にどのように向き合うかの検討材料にしていただければと思います。

1.清算前の検討事項
清算を検討する前に考慮すべき主なポイントは以下です。
①企業の欠損状況は好転する見込みがないか?
②「二免三減半」及び他の優遇政策等が清算により不適用になり損失が生じることがないか?例えば、10年の経営期間継続を前提に優遇措置を受けている場合、10年に満たない年数で清算する場合、過去の優遇分の返還を求められることがある。このようなケースでは、返還を求められる金額と経営を継続することで予想される損失金額との比較でどちらが大きいか?
③締結している業務契約が満了前に終了することによる損失はどの程度か?
④レピュテーションへの影響

2.会社の解散及び清算の法的根拠
各種規定により会社は以下のことを満たす場合、経営が終了することになります。
①経営期間が満了した場合
②経営不振による欠損が深刻であり、投資側が解散を決定した場合
③自然災害、戦争などの抵抗不可な事情により深刻な損失を被り、経営を継続できない場合
④破産した場合
⑤中国の法律、法規に違反し、公共利益に危害を及ぼし法に依って取り消された場合
⑥外資企業の定款で規定されたその他の解散事由が発生した場合

では、「足元の業績は黒字であるが、来期以降不透明なため解散清算したい」という場合は解散清算は可能でしょうか?②には当てはまりませんので、このような場合には⑥を適用します。定款に「投資側が解散を決議した場合」と盛り込んでおき、それを事由に解散清算を行うことができます。定款にこのような条項を盛り込んでいない場合は、解散清算の前に定款変更を行い、条項を追記することで対応可能です。

こちら(中国で失敗する6つの理由(4) )もご覧ください。

次回は、解散清算を進める際に問題となる留意点(人員解雇や債務処分など)について解説します。

 - 中国からの撤退(手続き・注意点等)