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中国 移転価格税制 2015年APA(事前確認)報告を発表 バイラテラルが6件

      2019/02/21

中国国家税務総局からAPA報告が出ました。
2015年12月までのデータです。「いまさら2015年?」という感じもしますが、毎年こんなタイミングでの発表です。
この報告書は2005年からの累計データを載せています。
APAの申請資格は、関連会社取引が4000万元(15円として6億円)以上の企業となりますが、それ以下の取引規模の企業にとっても、APAで採用されるメソッドなどをチェックすることは同期資料作成の際に参考になると思いますのでご紹介します。
日本でも移転価格税制が強化されていますが、中国も厳しいですので、調査に備えてしっかりと準備されると無駄な支出を抑えることができると思います。

①2015年単年度の件数
・ユニラテ6件、バイラテ6件、マルチ0件の12件であった(マルチは2005年以降ずっと0件です)。

②2005年~2015年の地区別比率
・北米12.2%、欧州18.4%、アジア69.4%となった。アジア地区企業のAPAが突出している。
③2015年の処理スピード
・ユニラテ6件のうち、1年以内にAPAが完成したのが5件、1年~2年が1件であった。
・バイラテ6件のうち、1年~2年が1件、2年~3年が2件、3年以上が3件であった。
④2005年~2015年のメソッド別件数
・TNMM法が最も多くトータルで109件である。うち、フルコストマークアップ法が59件、リターンオンセールス法が48件であった。
・次に多いのがコストプラス法で17件であった。

⑤2005年~2015年の業種別件数
・製造業が最も多く104件/125件であった。

⑥2005年~2015年の取引形態別件数
・受理ベースで、有形資産売買が28件、無形資産譲渡及び使用が24件、労務提供が17件であった。

メソッドとしては、TNMMが多いですね。TNMMの場合、比較対象となる企業をどう選定するかがポイントになります。自社及び子会社の仕事の内容を棚卸し、似たような企業を見つける必要があります。
見つけた後には、その対象会社の利益率データなどが必要になりますが、かつては、そのデータ使用料は高額でした。今は、新規参入があったり、新サービスを開発があったりと、以前よりは身近になってきました。
データベースも身近になっていますので、自社に移転価格リスクがないか、一度チェックされるとよいと思います。移転価格で否認されると、納税も多額になりがちですから。

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