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中国 広東省 今年と来年の最低賃金引き上げを見送り

      2019/02/25

中国広東省が、最低賃金引き上げを見送ったと各種メディアで報道されていますので、ご紹介します。広東省は元気な省で、賃金も北京や上海に次いで高いのですが、今後を見据えて人件費高騰による競争力喪失に配慮したということでしょうか。とはいえ、転職サイトなどでみる平均相場より、最低賃金はまったく低いですのでそんなに大きな効果はないかもしれません。

・広東省が2016年、2017年の最低賃金の標準額をアップさせないとし、2015年5月に発布済みの標準賃金を維持する見込みである。《広東省供給側機構改革全体計画(2016—2018年)》にこれが盛り込まれるとのことである。
・広東省(深センを除く)は、2015年5月に最低賃金を4地域に分けて発表している。広州市は1,895元/月、珠海、佛山、东莞、中山などの珠海デルタは1,510元/月、汕头、惠州、江门、肇庆の4都市は1,350元/月、その他地区は1,210元/月である。
・中国は最低賃金標準制度を2004年3月1日に開始した。以来12年、広東省は今回も含めて、3度、引き上げを見送ったことがある。前の2回は2009年と2012年であり、世界的な経済危機の後のことである。
・「最低賃金標準」と「企業賃金指導ライン」は、似通った関係にあり、2015年11月に、広東省は2015年の企業賃金指導ライン(標準)を8.5%としていた。
・最低賃金標準は労務費に影響があり、2010年21.1%、2011年18.6%、2013年19.1%、2014年19.1%、2015年19%と推移してきた。
・これに対して広東省のGDP成長率は、2010年12.4%、2011年8%、2012年10.2%、2013年8.5%、2014年7.8%、2015年8%と推移している。

先日の本ブログで財政部部長などが「人件費高騰は中国の競争力を損なう」と発言したことをお伝えしましたが、これに沿った動きとも言えそうです。ちなみに各地の2015年地方省の「企業賃金指導ライン」は以下です。2015年8月に発表されたものです。
企業賃金指導ライン2015年

また、大手就職支援サイトが掲載する各地の転職時の全業種全年齢の平均相場は以下です。最低賃金で採用できる状況ではありませんが、それでも据え置きとなったことで賃金アップペースが鈍化するのであれば朗報とはなりそうです。
①広州  6,600
②深セン 5,580
③东莞  4,340
④佛山  4,180
⑤中山  4,340
⑥惠州  3,680

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