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中国 中国の2014年度末国家貸借対照表 地方政府財政は危険水域か?

      2019/02/25

中国の社会科学院から「中国国家貸借対照表(2014年度末時点)」が発表されましたのでその内容をご紹介します。9月27日の21世紀経済報道および交易中国の記事から抄訳してご紹介します。

1.中国主権貸借対照表
主権資産総額  227.3兆元
主権負債総額 △124.0兆元
純資産     103.3兆元
・2000年以降、主権負債は21.4兆元から124.0兆元まで102.6兆元増加した。年平均で7.3兆元の増加である。
・この増加のうち、国有企業債務の貢献度は53.8%、地方政府債務の貢献度は25.7%である。両セクターの負債増加が国家負債の増加額の大半を占めている。
・この14年間で国有企業と地方政府債務の増加はとても速かった。国有企業債務は55,2兆元の増加、地方政府債務は26.4兆元の増加であった。地方政府債務の貸借対照表は以下のとおり。

2.地方政府の総貸借対照表
資産総額  108.2兆元
負債総額 △ 30.3兆元
純資産    77.9兆元
・地方政府の負債の内容は、借入金と債権融資が主なものである。すなわち銀行借入、地方債、基金信託などである。
・債務超過にはなっておらず、償還能力は有している。しかし急速に増加しており注意深くモニターしていく必要がある。
・また、資金調達スキームが複雑化しており、償還日のコントロールに失敗し、流動性危機を抱えるリスクは無視できない。
・2013年6月時点の地方政府債務の年度別償還割合は以下のとおり。
①2013年下期 22.9%
②2014年   21.9%
③2015年   17.1%
④2016年   11.6%
⑤2017年    7.8%
⑥2018年以降 18.8%
・2013年6月で償還期限を迎えた債務は10.9兆元であったが、そのうち繰り延べられた債務は1.15兆元で10.6%の繰延率であった。
・このような繰り延べ問題の要因は、資産は長期インフラ投資であるも、調達は3~5年返済の短期銀行借入であることがある。調達と運用のバランスが取れていない。

※主権資産(国有经营性资产、国有非经营性资产、政府所拥有的资源性资产、对外主权资产、全国社会保障基金国有资产、政府在中央银行的存款)
※主権負債(中央政府的债务(内债和外债)、准国债(各政府部门和政策性机构所发行的有财政担保的债券)、地方政府债务、国有企业债务、以金融不良资产及其转化形式存在的或有负债、以隐性养老金债务为主的社会保障基金缺口)

地方政府の幹部は地元の経済発展が出世の近道ということで熱を上げてインフラ投資し、企業誘致を積極的にしてきました。これが地方債務の急速な膨張と、企業誘致合戦による生産過剰状態を固定化につながり、構造改革の課題となっています。習政権は国有企業改革を打ち出し過剰生産問題に取り組む姿勢を見せていますので、加えて、地方政府債務の増加に歯止めをかけることが期待されます。貸手の金融機関も借り換えなどで対応すると思われますので、すぐには金融システムの問題につながるとは思えませんが、ここを何とかすることが7%GDP成長と消費への転換という目標達成へのカギの一つになるかと思われます。

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