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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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中国進出・失敗しないためのポイント

      2017/01/19

直近のGDP成長率が7%にまで落ち込み、経済クラッシュのリスクが叫ばれる中国。しかし、見方を変えれば7%というのはまだまだ驚異的な高成長率ともいえます。この巨大市場を狙ってこのような時期でも進出したり現地事業を拡大したりする企業も多くあります。
直接投資の場合、多額の投資になりますので、失敗は避けたいのが当たり前。ここでは、中国ビジネスの実際から失敗しないためのポイントをまとめたいと思います。

1.支持されるビジネスモデルか?を考える

家電量販店のヤマダ電機は、最近、日本国内の店舗閉店を発表しましたが、その前に中国での店舗を閉鎖し撤退しました。日本式の製品種類ごとの売り場つくりやポイント制度を導入したりして訴求を試みたようですが、うまくいかなかったようです。

一方、中国の大手量販店はどうでしょうか?筆者が住んでいた北京市内の大中電器、国美電器などの中国の大手家電量販店の売り場も実はガラガラでした。「よく潰れないな」とこちらが心配になるくらいのガラガラ具合でした(一部は閉店していましたが)。

中国の家電販売は、一つのビルに小さな商店がいくつも入っているスタイルが多く、扱っている商品カテゴリーは同じでも、品ぞろえや価格に各々特徴を出して競争しています。日本の家電量販店のような、エアコンはエアコンで、冷蔵庫は冷蔵庫でとエリアを分けて販売するスタイルとは異なります。

ちなみに大中電器、国美電器も製品毎に売場を作っているスタイルでした。ただ、これら大手はネット販売を充実させていて、大々的に宣伝しています。大手の一つである蘇寧電器などは、ネット検索で「蘇寧電器」と入力すると、会社のHPより上位にネットショップが表示されます。

つまり、ヤマダ電機の日本式のスタイルが、消費者に支持されなかったのが要因の一つと思われます。あまりに先進すぎたのかもしれませんし、ネット販売への移行が早くて、日本の産業発展過程とは違い、日本式量販スタイルが存在できる時代がないのかもしれません。

教訓としては、SWOT分析などによる事業関係分析や市場調査をしっかりと行って、今のモデルが通用するか否か、通用しないなら、どんなモデルであればいいのか?それを実現できる方法と体力は見えているか?などを詰めておくことで失敗を避けられるということかと思います。

2.ヒト・モノ・カネをそろえられるか?を考える

①ヒト

日本企業はなぜ失敗するか?という記事には必ずといっていいほど、「中国人を登用しないから」いうのが出てきます。中国人総経理の方が、中国市場や中国的価値観の理解も日本人総経理よりは深いだろうと思いまが、日本人総経理だから業績が悪い企業ばかりとも言えません。立派に運営されている日本人総経理もたくさんいらっしゃいます。

これら報道に惑わされず、日本人総経理と中国人総経理のメリットデメリットを比較することが大切ですし、中国人に任せても問題なく運営できる仕組みができるかを判断して意思決定されることが大切だと思います。

中国人に任せた方がいいとなった場合、次に任せるための仕組みが必要です(放任と任せるは違う、と日本でもよく言われますね)。このため、「中国人に経営を任せる」プランを作成し、仕組みを構築し、戦略的に移行を進めていく必要があると思います。その実行には以下のようなことを気にされるとよろしいかと思います。

  • 日本語が話せ、また日本的感覚を理解できる中国人を育成する。もしくはそのような人材を供給してくれる大学や育成機関との関係を強化する。
  • 幹部人材には日本人並みの処遇を与える。しかし、業績管理はしっかり行い、目標未達の場合は、報酬が高止まりしないような報酬体系にする。また、うまくいかなかった場合の契約解除要件をしっかり整える。
  • 内部牽制体制を整え、かつ毎月の伝票監査や定期的な実地監査をしっかり行う。
  • 中国人や中国企業と積極的に交流し、経営についての情報交換を行う。

優秀な人材を確保すること、また内部牽制制度を整え監査を充実させることには、費用がかかりますが、必要な投資として最初から盛り込んでいただき、それだけかけても黒字が見込めるように計画できたので中国に進出する、というくらいのスタンスで考えていただければと思います。

②モノ

仕入が大きな問題になることがあります。中国には多くの製造業が進出していますが、進出場所を間違えると、近くにまともな材料を供給してくれる会社がない、まともな外注先が近くにないなどの問題で、QCD(品質、コスト、デリバリー)の全ての面でお客様にお応えできないということが起こります(ちなみにヤマダ電機も撤退会見で、仕入れができなかったことを撤退要因の一つに挙げています)。

お客様の工場に近いからという理由で進出先を選択することも重要ですが、サプライチェーンが機能するか否かを十分に調査していただくことも重要な要素かと思います。結果、日本から部材を輸出するなどの対応をせざるを得なくなったり、仕入品の成分検査のために高額な機器を導入するはめになったりして、当初のプラン通りに進まないことになってしまいます。

調査会社に依頼したり、見本市に参加したりして、供給業者のリストアップをし、実際の品質をチェックすることからスタートされるとよいかと思います。

③カネ

ヒト、モノを安易に計画すると、予定以上のカネが必要となり、結果、日本本社の体力では支えきれなくなり撤退、ということになります。
カネを準備できない場合には、合弁、技術供与などが考えられます。直接投資だけが海外ビジネスの手段ではありません。これも調査会社を使ったリサーチなどにより、組めそうな相手を常に探索し、人間関係を作っておくことが大切かと思います。

3.まとめ

下記以外にもいろいろとあると思いますが、主なポイントをまとめます。

  • ①目的を明確にする
  • ②事業環境分析、市場調査、サプライチェーン分析をしっかりと行う
  • ③日本式スタイルや自前主義に固守しない。が、品質にはこだわる
  • ④中国人に任せる場合はしっかり準備する
  • ⑤日本人総経理で運営する場合、総経理への経営者教育をしっかり行う
  • ⑥日本人総経理を補佐するため現地コンサル事務所をあてがう
  • ⑦中国系と交流し情報収集とともにビジネスパートナーとして活用できないかを考える。
  • ⑧必要なカネを予算化し、それでも黒字になるようなビジネスプランを組み立てる

こんなはずじゃなかった、とならないように、いろいろな事例をあたることも有用と思います。十分な検討と、現地の変化に合わせた臨機応変な対応が求められると思います。

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