中国 今年の政策目標
2019/02/22
全国人民代表大会が開催されています。李首相が昨年の振り返りと今年の目標について、講演していますのでご紹介します。
1.昨年の振り返り
①経済は安定して好転に向かっている。工業企業利益は昨年の2.3%減から8.5%増へ改善した。
②都市新規就業者数が1,314万人になった。
③可処分所得は6.3%増となった。2.今年の目標
①目標GDP成長率は6.5%前後とする。
②目標CPIは+3%程度とする。
③目標都市新規就業者数は1,100万人以上とする。失業率は4.5%以内とする。
④3,500億元程度の企業減税と行う。
⑤農村貧困人口を1,000万人以上減少させる。
3.今年の重点業務
①供給能力の調整:鉄鋼生産能力を5000万トン程度削減する。石炭は1.5億トン以上
②地方における住宅供給:三四級都市に居住する(流入する)住民の住宅購入を支持する。住宅価格の上昇圧力が強い都市は住宅用地の増加する。
③企業コスト削減:小規模企業の税制優遇範囲を拡大する。税負担以外も削減する。
④国有企業改革:電力、石油などの領域で推進する。
⑤公共投資:鉄道建設投資に8,000億元、公共道路水運に1.8兆元投資する。
⑥消費:電子商取引、宅配物流の充実させ、拡大する。
⑦イノベーション:新材料、人口知能、第5世代通信など
⑧環境保護:PM2.5の数値を抑制する。
真新しい政策はなく、これまでのとおり安定成長への移行、構造改革推進、公共投資と消費促進、環境医療貧困解消などの生活充実は、変わらないですね。経済成長の効果を、社会全体に配分していくことをより一層推進することになりそうです。上記方針に従って様々な産業政策が打ち出されると思いますので、自社の業界に直接的に関連するものはもちろん、回り回って関連しそうな政策もチェックいただけるとよいと思います。