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中国での「無人販売」実験

      2019/02/25

 郊外をドライブしていると、無人の野菜販売所を見かけます。野菜の横に代金を入れる箱がある販売所です。皆さんも見かけたり実際に購入したりしたことがあるのではないでしょうか?

 この無料販売店が、北京と杭州で「無人コンビニ」として1日限定で実験的にオープンしました。既存のコンビニを使っての実験です。ちなみ、6月6日に行われました。この日は、「信用日」と呼ばれていて、「信用を守ろう」運動のような日です(国家の定めた日ではありません。最近の中国では草の根でこのような日が制定されているようです)。
 6日の様子を中国ネット新聞の「花生網」がレポートしていますので一部を紹介します。

 6月6日に北京と杭州で「無人コンビニ」活動が行われました。「信用日」の社会活動の一環です。杭州の無人コンビニでは、以下のようなことが起こりました。
 ・午後3時頃、三名の男性客が入店し、代金箱に10元(約200円)を入れたのち、高額の酒タバコを持っていった。
 ・ある客は、袋を商品でいっぱいにしたが、代金を入れずに立ち去った。
 店員は、酒タバコ類は撤去しようと検討していたようですが、結果、そのままとし、いつもコンビニの様子で臨むことにしたとのことでした。
 翌日、主催企業は、上記のようなことは些細なことであると下記のようにコメントしました。
 ・杭州の無人コンビニでの、本来売上高は1.67万元(334千円)であった。
  これに対して1.37万元(274千円)が自主的に代金箱に支払われた。82%
  の支払率であった。
 一方で、主催企業は、北京の無人コンビニでの結果を発表しませんでした。取材によると、北京の無人コンビニでは、三名の女性客が、代金箱に代金を入れることなく大量の商品を持ち去り、他にも数名の客が何度も往来し、高額の酒タバコを10元のみで「購入」したとのことでした。
 これについて、中国の大学教授は次のようにコメントしています。
 ・先進国では、無人店舗は、スーパーのセルフレジなども含めて普及してい
  るが、中国ではまだ新しい概念である。定着には紆余曲折あるだろう。

 日本では、スタップ細胞事件の際、世界的な権威であった笹井教授が自殺するという結果を迎えました。日本では「捏造や偽物は絶対に許さない」という文化があり、結果、有能な研究者を失うことになりました。
 我が国では、論文捏造が発覚すれば、如何に言い逃れるか、やり過ごすかを考えることがまだまだ多いようです。ネット住民などが捏造や偽物を糾弾しても、熱が冷めれば、雲散霧消してしまうケースがほとんどです。将来、我が国が日本と同じように、「捏造や偽物は絶対に許さない」ということになれば、メイドインチャイナもプライドになるのではないでしょうか?

 我々は、アップルが今、しているようなこと、すなわち、中国で利益を稼ぎながらも、Made in Chineなく、「Assembled in Chine」と刻印するようなことはしたくないと思います。

  「無人コンビニ」は今年初めてのトライだったようです。こういったお店の存在が認知されれば、10元事件のようなことは無くなっていくのでしょうか?それとも、そのまま発生し続けるのでしょうか…?
 持ち去った人もいるようですが、ちゃんとお金を払った人が多数だったようですので、一部の人の行動で「これが中国人気質」とすべてを判断するのは誤った結論になるかなとも思います。中国は人も多いし、国土も広いので、いろんな人がいるのだろうと思います。
 企業活動に当てはめると、全体をターゲットにするのではなく、ターゲットを絞ったセグメンテーションとリスク管理が大切ということかなと思います。市場も採用する職員も「選択と集中」の精神で臨むということですね。セグメンテーションで市場を絞ってもまだ、大きなマーケットには違いないでしょうから。

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