成功のための中国ビジネスチャンネル

中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

*

中国東莞市の家具業界の今

      2019/02/25

広東省東莞市は家具関連企業の集積地として、中国の経済発展の恩恵を大いに受けてきました。しかし、今では労務費高騰などの影響で様相が一変しているようです。中国の毎日経済新聞がその様子をレポートしていますので、要約してご紹介します。

 5月末~6月初めのわずか一週間の間に、東莞市で大型の倒産が3件発生しました。これらの会社は、多額の不良在庫を抱えて資金繰りに窮したようです。関係者によると、昨年の月額生産額は200万~300万元だったものが、今年は160万元にまで落ち込んでいるとのことです。なお、このうちの1社は200万元で売りに出され、その代金の内、130万元は未払給与に、残りは未払地代や未払水道光熱費などの経費の清算に充てられたとのことです。
 中央政府統計によると、2014年の家具製造業売上高は7,187.4億円で、前年比10.9%の伸びとなりましたが、これは過去5年で最低の伸び率となりました。東莞市統計局によると、2014年の東莞市の家具製造業売上高は222.36億元で、前年比0.34%の下落となりました。
 関係者はこの苦境の要因を、①来場客や購入客の減少、②労務費などの製造経費の上昇と分析しています。家具製造業は労働集約型産業ですが、全国家具製造業における労務費は、この3年で20%以上上昇しました。東莞市の関係者によると、技術系社員は4,000元~5,000元の月給、一般社員でも3,000元の月給が必要だとのことです。
 また、家具協会の理事長は、「家具に対する需要は、伸びは鈍化しているものの底堅いが、労務費上昇などの要因に加えて、産業集中度の低さが苦境要因の一つとして考えられる」と述べています。理事長によると、製造品種類が多いことや自動化が進んでいないなどのことから、総生産高の1%以上を占める企業が1社もなく、今後、企業淘汰や集約が進むだろうとのことです。
 中堅中小の家具業は苦境ですが、上場企業は好調です。美克家居(上海株式市場上場)、好菜客(同) 索菲亚(深圳株式市場上場)、といった上場企業は業績を伸ばしています。
 このうち、好菜客は今年の第一四半期の売上高が1.6億元となり前年比21.7%増となりました。純利益は前年比80.1%増でした。美克家居は、今年の第一四半期の売上高が前年比12.1%増、純利益は前年比41.6%増でした。

 記事によると、家具需要そのものは衰えていないものの、業界の二極化が進んでいるようです。自動化などによる省力化対応などが出来ない企業が淘汰されていくことが予想されています。「市場としての中国」への移行がこの業界でも進んでいます。家具販売企業や省力化技術を有する家具製造企業にとってはチャンスかもしれません。

 - 中国経済、その他法律に関するニュース , , ,