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中国経済ニュース 恒大集団の負債33兆円の内訳は?

      2021/09/30

中国不動産大手の恒大集団の経営が危ぶまれています。
23日に期日となる社債の利息は支払うことになったようですが、今後も利払い期日はありますので、予断を許しません。

ということで、恒大集団の決算書を見てみました。
上場していますので2020年12月決算期の財務報告書が開示されています。

まず、貸借対照表と損益計算書です。
日本円への換算は17円でしています。

この開示資料によると、
・総資産は、39,119,703百万円(39兆円)
・負債額は長期短期合計で、33,162,376百万円(33兆円)
・現預金は、 2,698,784百万円(2.7兆円)
・借入金は長期短期合計で、716,532百万円(0.7兆円)
となっています。
特筆すべきは、建設中の物件額の多さでその金額は21,384,436百万円で21兆円となっています。総資産の約半分を占めています。
建設にはサプライヤーや協力業者からの購入がありますので、その債務も多額で14,095,958百万円(14兆円)に上ります。
借入金の返済も大変ですが、14兆円の仕入債務や社員への賃金支払いも厳しい対応となりそうです(物件が順調に販売できればいいですが)。

なお、財務分析の最も重要な指標であるROAですが、当期純利益÷期末総資産で簡易的に計算すると、1.4%しかありません。
低い原因は総資産回転率で、39兆円という多額の資金を調達し投下しながらも、売上高は8.6兆円にしかなりません。0.2回転です。
この回転率であれば資金に詰まるのもよくわかります。
財務的な視点でのビジネスの基本は、
・小さな資本で大きな利益を得る
ですので、恒大集団は、資本を使いすぎですね。

さて、借入金ですが、明細は以下の通りです。
シニア社債はすべて米ドル建てでオフショア債となっています。
中国企業社債はすべて元建てでオンショア債となっています。

2021年、2022年に償還が到来する債務もありますので、
・物件を適切に販売してキャッシュ化するか
・銀行から調達するか(これはスリーレッドラインで難しい)
・債権者と協議して借り換えするか
などしないと苦しい資金繰りは続きそうです。


恒大集団破綻となれば、影響もありそうですが、上海銀行間取引利率は落ち着いています(下記グラフ参照。9月18日までのデータ)。
一部の銀行や投資家は損失を被ることなり破綻するところも出そうですが、中国国内の金融システム全体では落ち着いているようです。
上海や香港の株式市場も22日は値上がりしました。ダウ先物も同様です。

とはいえ、仕入債務の大部分がカットとなれば、体力のないサプライヤーや協力業者は窮地に陥るでしょうから社会的にも経済的にも悪影響となります(政府が救済するかもですか)。失業も懸念されますし、消費動向にも影響がでそうです。消費が冷え込むと中国経済というよりも、日本経済を含めた世界経済の足を引っ張ることになりそうです。
また、投資している外国投資家の経営破綻を機に連鎖的に悪影響が広がる可能性もあります。

23日を乗り切ったとしても、しばらくは目が離せませんね。
 
 

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