中国経済ニュース 2020年金融統計発表、中国の金融政策動向は?
中国人民銀行のホームページに「020年金融統計報告」がありましたので、一部をご紹介します。
2020年はコロナで大変でしたが(今も継続していますが)、それで毀損した経済を下支えするための金融政策はどうだったでしょうか?
①マネーサプライ
・2020年12月末のM2は218.68兆元(1元=16円で3,500兆円)で、前年同月比で10.1%増となった。前月比では0.6ポイントの減少となった。2020年12月末のM1は62.56兆元で、前年同月比8.6%増となった。②貸金
・2020年12月末の外貨を含む貸金残高は178.4兆元で前年同月比12.5%増となった。月末の人民元貸金残高は172.75兆元で12.8%増となった。
・年間人民元貸金増加額は19.63兆元で2.82兆元の増加となった。内、住宅貸付は7.87兆元増となった(短期が1.92兆元増加し、中長期は5.95兆元増加)。企業向け貸付は12.17兆元増加した(短期が2.39兆元増、中長期が8.8兆元増。手形融資が7,389億元)となった。
・外貨貸付は8,672億米ドルで10.2%増加となった。③預金
・2020年12月末の外貨を含む預金は218.37兆元となり10.2%増となった。人民元預金は212.57兆元で10.2%となった。
日本のM2は約1,000兆円ですので、3倍ちょっとの規模ですね。GDPが3倍なので同じくらいの比率という感じでしょうか。日本は2019年からは9.2%増ですので、こちらも中国と同じような動きです。
ただ、中国のGDPはコロナにもかかわらず成長していますので、お金はよく回っているのだろうと思われます。実際、消費も活発ですし。
お金の量を増やしても、それを回さないと活況感がないですし、企業の売り上げも増えません。
また、増えたお金が企業などに貸付されなければ経済活動の血液にもなりません。中国の貸出伸び率は12.5%と、日本の5.9%に比べて大きく伸びています。
供給サイドのイノベーションや成長の可能性がないと、銀行も貸出を増やせないでしょうし、消費者も新たな消費意欲を刺激されることもないでしょうから、イノベーションが促進される社会制度設計が必要ではないかと感じます。
中国の経済動向や法改正は、子会社の経営だけでなく、日本親会社の経営戦略にも影響します。
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