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中国経済ニュース 紫光集団のデフォルトは半導体の国産化に影響するのか?

      2020/12/14

中国の一部大手企業で債務が期限通りに償還できないなどの事例が出ています。
半導体ハイテク企業の紫光集団も短期流動性の資金繰りが逼迫しているのか、12月10日の利払いなどができなかったとの報道があります(11月にもあり)。

紫光集団は、半導体ビジネスの期待の星のような存在だったようですが、現在の財務面の苦境が半導体製造に影を落とすのかどうかを検討するための情報をご紹介したいと思います。他の情報と合わせてご検討ください。

1.今回のデフォルトの規模
12月10日に利息を支払うはずだった社債は以下のものです。
社債名:18紫光04
発行量:50億元
額面利率:5.2%
期限:5年
起算日:2018年12月10日
期限日:2023年12月10日
ということで、利払いは、単純計算ですが50億元×5%=2.5億元(約40億円)くらいでしょうか。11月の「17紫光PPN005」に続くデフォルトです。

また、上海証券取引所のホームページに掲載されているプレスによると、これ以外に12月10日期限到来の4.5億米ドル(約470億円、約30億元)の債権償還資金も準備できなかったとのことです。

紫光集団は非上場ですので財務内容の詳細は分かりませんが、核付け会社のレポートをもとにした報道によると、9月末時点で、
総負債:527.81億元(内短期負債328.16億元)
現預金:40.02億元
だったそうです。この報道が事実なら不足は明らかですね。

格下げもされていて、以下の社債がBBBからBになりました。

なお、これら社債の発行量や期限などは以下のとおりです。
最も早く期限を迎えるのは、「16紫光01」で2021年1月14日に期限到来です。

また、紫光集団の100%子会社である西藏紫光春华投资有限公司が保有してる紫光国微(上場会社)の株式が譲渡担保とされたようです。

2.紫光集団と半導体製造
紫光集団のグループ企業の中で半導体ビジネス(メモリー製造)をメインで担うのは武漢にある长江存储科技有限责任公司(長江メモリー)です。
長江メモリーの半導体メモリー製造の現状についてはこちらの日経ビジネスの記事に解説があります。元エルピーダメモリ社長の坂本幸雄氏など日本人技術者を招聘して開発に取り組んでいるようです。

ということで、紫光集団は半導体ビジネスのメインプレーヤーではないとなると、紫光集団と長江メモリーの「傘下」具合はどうなのかがカギになりそうですので、長江メモリーの株主構成を見てみたいと思います。

3.長江メモリーの株主構成から考える半導体ビジネスへの影響
愛企查のデータによると、長江メモリーの持株会社の株主構成は以下のようになっています。

ここには紫光集団そのものの名称はありませんので、辿っていくと、紫光集団から長江メモリーまで8階建てになっていました。


途中、国家集成电路产业投资基金股份有限公司という政府系ファンドが出資しています。

長江メモリーが紫光集団の負債履行に対してどの程度のオブリゲーションなどがあるか分かりませんが、これだけ離れていると、紫光集団に何かあった場合に長江メモリーに支障を来たすようなことがあるとしても、それが現実化する前に対処はできそうです。

例えば、長江メモリーは上場していませんが、今年の両会では、上場を指示するような意見がありましたので、上場することで紫光集団から切り離すこともできるでしょうし、単純に、政府系など他の投資家が紫光集団参加の企業が保有する株式を買収し、資金供給することもあると思います。紫光集団が社債で調達した資金は長江メモリーに投資されていたとの報道もありますので、そこを政府系など他の投資家がカバーするかどうかが財務的なポイントになりそうです(国家にとって重要な技術であれば長江メモリーを直接支援するだろうと思われます)。

紫光集団が保有する特許が長江メモリーの開発製造に必要なら事前に譲渡することもあるでしょうし、人や技術は紫光集団から事業譲渡(中国にはこの手法はありませんが)させれば継続できますので紫光集団からの技術支援が引き続き必要だとしても、対処できそうです。

ということで、詳細な権利関係や技術的な関連性は分かりませんが、ガバナンス面から見ると紫光集団がデフォルトしたからといって、長江メモリーの半導体メモリー製造にはあまり影響はないのかもしれません。

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