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スモールM&Aの課題とその解決方法とは?

      2022/03/02

後継者不足などから、事業継続の手法としてM&Aが一般的になっています。
中小企業にもM&Aが浸透してきましたが、それに伴い、M&Aのサイズが小さくなっており、いわゆるスモールM&A案件が増加しています。

これまでのM&Aは、売手企業<買手企業の構図だったため(売手企業が希少)、M&A会社は売手になりそうな企業にダイレクトメールを出したり、金融機関と提携したりして売手企業の囲い込みをしていました。

しかし、スモールM&Aは、売却企業>買収企業の構図となっており(買手企業が希少)、売手企業を囲い込んでも、買収企業が見つからずにM&Aが成立しないケースが増えているようです。

そこで本稿では、スモールM&Aの課題を分析し、その解決方法を考えたいと思います。

 

1.スモールM&Aが活発化しない原因とは?

(1)会社規模が小さいため、売手FAが動かない
小規模企業の売却でも、買手企業にとって何らかの魅力があればM&Aが成立する可能性がありますが、可能性があっても、小規模企業の売却の場合には、売却を支援するFAが積極的に動かないケースがあります。
売手FAは、売手を支援することで、売手が得た売却報酬の一部をFA報酬として受け取りますが、小規模企業の場合、売却報酬が数百万円レベルの少額になってしまうケースがあります。
売却報酬が少額だと、売手FAが得られる報酬も少なくなりますので、売手FAとしては、ビジネスとして魅力がありません。
つまり、小規模企業の売却がなかなか成立しないのは、その企業の魅力が乏しいということに加えて、売手FAが力を入れて支援しない、ということも要因になっているとも言えます。

よって、売手FAが力を入れて支援できる仕組みを整えることがカギになります。

(2)買収後にマネジメントができる企業が見つからない
小規模企業を買収した場合には、その後の課題として、
・経営者(売手企業のオーナー経営者)が退任することで事業が回らなくなる
というものがあります。
多くのケースで、オーナー経営者は売却後も数年は会社に残って引継ぎを行いますが、引継ぎを受けて経営を担当できる人材がいる買手企業は、中規模以上の企業に限られます。買手候補が小規模企業は、買収後にその会社を運営することができないため、買収を諦めてしまいます。

よって、人材やマネジメントノウハウを保有している中規模の買収企業がM&A市場に参加することがカギになります。

(3)買収資金を負担できる企業が見つからない
中規模企業を買収する場合は、買収金額が10億円以上になることが多いため、小規模企業は買手になることはできません。買収側も中規模企業ではないと、10億円以上の買収資金を負担することはできません。

よって、キャッシュリッチな中規模の買収企業がM&A市場に参加することがカギになります。

 

2.どうすればスモールM&Aを活性化できるか?

上記の課題を解決するカギは、
中規模の優良な買手企業がスモールM&A市場に参加すること
で、具体的には、
中規模の優良な買手企業と強いグリップがある会計事務所がスモールM&A市場に参入すること
だと考えます。

まず、優良な中規模企業は、売手FAの報酬問題を解決できます。
売手FAは売手企業から得られる報酬が少ない場合、買手企業から案件持ち込み料のような名目で報酬を得ようとします。でないと、ビジネスとして成立しないからです。
この場合、買手企業は、売手企業に支払う買収代金に加えて、売手FAにも報酬を支払うことになりますが、優良な買手企業は両方を負担できる体力を持っています。

また、人材も豊富であり、小規模企業の買収も可能です。なぜなら、人材がいるため、退任する経営者を引き継ぐことができるからです。経営管理の仕組みもありますので、買収後のマネジメント体制を整えることができます。

さらに、中規模企業の買収などで買収代金が多額になっても、それを負担することができます。

よって、優良な中規模企業が買手として、スモールM&A市場に参加すれば、スタックしていた売却案件が動き出す可能性が出てきます。

しかし、優良な中規模企業の参入は十分とは言えません。
そこでポイントになるのは、会計事務所の存在です。

例えば、弊社はいわゆる中堅会計事務所で、グループには税理士法人だけでなく、財務コンサル会社や人事コンサル会社を抱えていますが、顧問先企業へは、税務サービスだけでなく、人事や投資など経営に関するサービスの提供もしています。

したがって、顧問先企業の社長とは、経営の深い部分までお話をすることになりますが、この文脈で、経営課題の解決のために、企業買収を活用しようという意思決定をすることがあります。顧問先企業とのディスカッションで企業買収を進めるとなったら、弊社が条件に合う売却希望会社をソーシングし、企業買収を支援するということをしています。

つまり、会計事務所が顧問先企業と経営の話をしっかりとし、その文脈で顧問先企業がM&A市場に参加することになれば、スモールM&A市場が活性化し、顧問先企業は買収企業を活用して課題解決ができますので、売手企業、買手企業、売手FA、買手FAの「四方良し」を実現できることになります。

つまり、活性化のシナリオは、
中堅会計事務所がM&A市場に参入し、且つ、売手企業を抱えるM&A会社が、中堅会計事務所に対して案件を持ち込みマッチングする
ことではないかと考えます。

後継者不在に悩む企業の多くが中小企業であるため、今後、スモールM&Aが増加してくることが予想されます。
多くの優良な中規模企業が買手としてM&A市場に参加することで、M&Aが、売手企業の出口戦略として、また、買手企業の成長戦略として、もっと活用されるようになってくれればと思います。

最後になりますが、弊社の顧問先には優良な中堅企業が多いため、買収ニーズが多数あります。
売り案件を持ち込んでいただくのはウェルカムですので、ご連絡いただければと思います。

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