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中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法に規定された犯罪行為の定義、量刑、適用範囲

      2020/07/02

中国国防部のホームページに新華社電として「中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法」が掲載されていましたので、ご紹介します。
全文が公開されています。
香港特別行政區維護國家安全法

本日は、この中から四つの犯罪行為とその量刑などについてご紹介します。
治安維持のために設置される機構などは、先日ご紹介した、香港国家安全維持法(草案)の説明とあまり変わりませんでした。

犯罪行為と処罰は、第三章に規定されています。
第三章は六つの節に区分されており、四つの犯罪行為(国家分裂罪、国家政権転覆罪、テロ活動罪、外国或いは外国勢力と結託して国家安全に危害を与える罪)及びその他の処罰、さらに効力範囲の六つで構成されています。
以下順に六つの節の内容の主なものをご紹介します。
全訳ではなく主な意味合いのご紹介ですのでご了承ください。公布即施行となっています。

また、これによる影響についての私の意見は、ブログというメディアでは書きづらいので興味のある方は当社名古屋事務所までお越しください。

1.国家分裂罪
第二十条
如何なる人や組織が、次に掲げるような国家分裂や国家統一の破壊などの行為を武力を用いるか否かにかかわらず、企図、実施、参加した場合、犯罪行為とする。
①香港特別行政区或いは中華人民共和国その他の如何なる部分を中華人民共和国から分離する行為
②香港特別行政区或いは中華人民共和国その他の如何なる部分の法律的地位を違法に改変する行為
③香港特別行政区或いは中華人民共和国その他の如何なる部分を外国の統治に転換する行為

上記犯罪行為の主要分子或いは犯罪が重大な場合は、無期懲役或いは十年以上の有期刑とする。積極的に参加した場合は、三年以上十年以下の有期刑とする。参加した場合は、三年以下の有期刑、交流或いは管理統制とする。

第二十一条
如何なる人も上記第二十条に規定する犯罪行為を煽動、協力、教唆、金銭或いは財産物資の提供援助をしてはならない。行った場合は犯罪行為となる。状況が重大な場合、五年以上十年以下の有期刑とする。状況が軽微な場合は、五年以下の有期刑、拘留或いは管理統制とする。

2.国家政権転覆罪
第二十二条
如何なる人や組織は、武力、武力の使用威嚇或いはその他の違法手段を以て次に掲げるような国家政権転覆行為をしてはならない。行った場合、犯罪行為となる。
①中華人民共和国憲法で確立された中華人民共和国根本制度を顛覆、破壊する行為
②中華人民共和国中央政権機構或いは香港特別行政区政権機構を顛覆する行為
③中華人民共和国中央政権機構或いは香港特別行政区政権機構の法に則った職務遂行や能力を妨害や破壊する行為
④香港特別行政区政権機構の場所や設備を破壊や攻撃し、正常な職務遂行を不能とする行為

上記犯罪行為の主要分子或いは犯罪が重大な場合は、無期懲役或いは十年以上の有期刑とする。積極的に参加した場合は、三年以上十年以下の有期刑とする。参加した場合は、三年以下の有期刑、交流或いは管理統制とする。

第二十三条
如何なる人も上記第二十二条に規定する犯罪行為を煽動、協力、教唆、金銭或いは財産物資の提供援助をしてはならない。行った場合は犯罪行為となる。状況が重大な場合、五年以上十年以下の有期刑とする。状況が軽微な場合は、五年以下の有期刑、拘留或いは管理統制とする。

3.テロ活動罪
第二十四条
・中央人民政府、香港特別行政区政府或いは国際機構を脅迫、或いは政治主張実現企図を以て、公衆を組織、計画、実施、参加を威圧するなどで、次に掲げる行為を行う場合、テロ活動とし犯罪行為とする。
①人に対する重大な暴力
②爆破、放火或いは毒性、放射性、伝染病病原体など物資を投げる行為
③交通機関、交通設備、電力設備、ガス設備或いは燃えやすい設備を破壊する行為
④水、電気、ガス、交通、通信、インターネットなど公共サービス及びそれらを統制する電子システムを妨害したりや破壊する行為
⑤その他危険な方法で公衆の健康或いは安全に重大な危害を加える行為

上記犯罪で、人を重症や死亡に至らしめたり或いは公共財産に重大な損失を与えた場合、無期懲役或いは十年以上の有期刑とする。その他の場合、三年以上十年以下の有期刑とする。

第二十五条
テロ活動を組織、主導することは犯罪行為とし、無期懲役或いは十年以上の有期刑とし、かつ財産を没収する。積極的に参加する場合、三年以上十年以下の有期刑とし罰金を科す。その他参加する場合、三年以下の有期刑、拘留或いは管理統制とし、罰金を科すことができる。

本法のテロ組織活動組織とは、本法第二十四条に規定するテロ活動行為を実施或いは企図する或いは、参加或いは協力する組織を指す。

第二十六条
テロ活動組織、テロ活動人員、テロ活動実施のために、教育、武器、情報、資金、物資、労務、運輸、技術を提供する、或いは場所等を支援、協力、便宜を図る或いは、爆発物、毒性物、放射性物、伝染病病原体などの製造、違法管理、その他の形式でテロ活動を準備することは犯罪行為とする。状況が重大な場合は、五年以上十年以下の有期刑とし罰金或いは財産没収とする。その他の状況の場合、五年以下の有期刑、拘留或いは管理統制とし罰金を科す。

前項の行為があり、同時にその他の犯罪を構成する場合は、処罰が重い規定で処罰する。

第二十七条
テロ主義の宣伝、テロ行為の煽動実施は犯罪行為とする。状況が重大な場合は、五年以上十年以下の有期刑とし罰金或いは財産没収とする。その他の状況では五年以下の有期刑、拘留或いは管理統制とし罰金を科す。

第二十八条
本節規定は香港特別行政区法律のその他形式のテロ活動犯罪の刑事責任追及かつ財産等の凍結に影響しない。

4.外国或いは外国勢力と結託して国家安全に危害を与える罪
第二十九条
外国或いは外国機構、組織、人のために、国家安全に関する国家秘密や情報をスパイや買収など違法な行為で取得し提供する、次に掲げる行為の実施を外国或いは外国機構、組織、人に共謀を依頼する、或いは直接間接に指示、統制、実施の支援を受ける行為は犯罪行為とする。
①中華人民共和国に対して戦争を発動する、或いは武力を以て或いは武力による威嚇を以て、中華人民共和国の主権、統一に重大な危害を加えること
②香港特別行政区或いは中央人民政府が制定や執行する法律、政策の実施に対して重大な結果をもたらす重大な妨害行為を働くこと
③香港特別行政区選挙を妨害破壊し、重大な結果をもたらすこと
④香港特別行政区或いは中華人民共和国に対して制裁、封鎖或いはその他敵対行動をとること
⑤違法な行為を通じて香港特別行政区住民の中央人民政府或いは香港特別行政区政府に対する憎悪を誘発し、重大な結果をもたらす行為

前項の犯罪は、三年以上十年以下の有期刑とし、重大な場合は、無期懲役或いは十年以上の有期刑とする。

本条第一款規定がおよぶ国外機構、組織、人は共同犯罪として処罰する。

第三十条
本法第二十条(国家分裂)、第二十二条(政権転覆)に規定する犯罪を実施するため、外国或いは国外機構、組織、人員と共謀或いは、直接間接に外国或いは国外機構、組織、人の指示や統制、資金援助などを受ける行為は、本法第二十条、第二十二条の規定により処罰する。

5.その他処罰
第三十一条
企業、団体等の法人或いは非法人組織が本法に規定する犯罪を実施した場合、当該組織に対して罰金を科す。
企業、団体等の法人或いは非法人組織が本法に規定する犯罪行為によって刑事処罰を受けた場合、営業許可を停止或いは取り消しする。

第三十二条
本法に規定する犯罪行為を実施し違法に得た援助資金、収益、所得や、犯罪行為を実施するための資金や道具は追徴、没収する。

第三十三条
以下の状況がある場合、関連する犯罪行為人、犯罪嫌疑人、被告人の量刑を軽減することができる。犯罪が比較的軽微場合は、処罰を免除することができる。
①犯罪中、それを自ら放棄し或いは自ら犯罪結果が発生するのを防いだ場合
②自首し自己の犯罪を供述する場合
③他の犯罪人を行為を暴露或いは重要な情報を提供する場合

強制措置を取られた犯罪嫌疑人や被告人が供述したことにより、司法機関が把握していない犯罪行為が明らかになった場合、前款第二項規定で処理する。

第三十四条
香港特別行政区永久性住居民身分ではない人が本法に規定する犯罪行為を実施した場合、独立或いは附加的に国外追放を適用できる。

香港特別行政区永久性住居民身分ではない人が本法規定に違反した場合に、如何なる原因によっても刑事責任を追及しない場合、国外追放することができる。

第三十五条
※選挙立候補人として資格に関する内容などのため省略します。

6.効力範囲
第三十六条
香港特別行政区の如何なる人が本法に規定する犯罪行為を実施した場合、本法を適用する。犯罪行為或いは結果が香港特別行政区内で発生した場合、香港特別行政区内の犯罪とみなす。

香港特別行政区で登記登録された船舶、航空機内で本法に規定する犯罪行為が実施された場合、本法を適用する。

第三十七条
香港特別行政区永久性住居民身分或いは香港特別行政区で成立した企業、団体などの法人或いは香港特別行政区内の非法人組織以外が本法に規定する犯罪行為を実施した場合、本法を適用する。

第三十八条
香港特別行政区以外で香港特別行政区永久性住居民身分ではない人が香港特別行政区に対して本法に規定する犯罪を実施した場合、本法を適用する。

第三十九条
本法施行後の行為は本法の量刑で処罰する。

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