成功のための中国ビジネスチャンネル

中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

*

中国 オーナーから高級管理職が株式を無償で譲り受けたら個人所得税はどうなる?

      2019/02/21

中国中華会計学校のウェイボーに「オーナーから高級管理職が株式を無償で譲り受けたら個人所得税はどうなる?」のQ&Aがありましたのでご紹介します。
このようなケースは日本企業や赴任されている日本人社員の方には無関係ですが、中国で「○○というケースでは課税か否か」判断する際の手順としていい例だと思いますのでご紹介します。

Q:オーナーから高級管理職が株式を無償で譲り受けたら個人所得税はどうなる?
A:実務上、個人所得税を納税する必要はないと考えられる。根拠は以下である。
①個人所得税法第二条:以下の個人所得は個人所得税を納税する。
 十、偶然所得
②個人所得税法実施条例第八条:個人所得税法第二条の各所得の範囲は以下である。
(十)偶然所得、とは宝くじなどの偶然性の所得である。
③国家税務総局個人が無償で住宅を譲り受けた場合の所得税の問題通知第三条:
・本通知の第一条の規定を除き、住宅を無償で譲り受けた場合、その他所得として20%の個人所得税を納付する。

これら法律によると、株式を無償で譲り受けた高級管理職は個人所得税を納税する必要がないように思われる。なぜなら、個人所得税法規定の所得に含まれないからである。

しかし、実務上、一部地域の税務部門が個人間の株式の無償譲り受けに対して財産譲渡所得として20%の個人所得税を納税するように要求する通知を発行している(扶養家族や姻戚関係間の贈与を除く)。例えば、以下である。
・広東省地方税務局株式譲渡所得の個人所得税の徴税管理の強化に関する通知(粤地税函[2009]940号)
・河北省地方税務局株式譲渡所得の個人所得税の徴税管理の強化に関する通知(冀地税函[2009]119号)

この2つの通知は現在もそのまま有効となっているが、この2つの通知が根拠としている「国家税務総局株式譲渡所得の個人所得税の徴税管理の強化に関する通知(国税函[2009]285号)」はすでに廃止されている。よって、この2つの地方税務局の通知も失効していると考えられる。
このことから、本ケースでは課税対象所得には含まれず、課税なしと考えられる。

なにがややこしいかというと、国家税務総局でなく、地方の国税局や地税局が個別に発布している通知や質疑応答があったりすると、そちらが適用されて課税となったりするケースがありうるということかと思います。このケースでは、2つの地方局の通知は失効と思われるので、課税なしではないかと判断していますが、別のケースでは、法律や公告には何も書いていないが、質疑応答を根拠に課税となるケースもあるようです(例:欠損補てんのための無償減資を益金とするケース)。また、2つの異なった省や市に進出している企業の場合、同じ事象でも取扱いが異なる可能性もゼロではないので、留意ください。

 - 個人所得税改正などのニュース