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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第三十計 反客為主

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第三十計「反客為主」です。

第三十計「反客为主(fan3 ke4 wei2 zhu3)」
直訳すると「主客転倒」です。軍事的には敵軍に身分を隠してもぐりこみ、数年かけて相当の権限を保有した後、反乱を起こすというような作戦を指すようです。長い時間がかかる計です。以前にご紹介した商社の例のように、ある優良なメーカーに近づき、仕入も販売も商社経由にし、商社金融や商社の販売力に頼らないと経営できない状態にしてから買収するなどの作戦とも通じる計です。

中国ネットの事例を紹介します。

A社はPCの製造メーカーである。これまでは直販方式で販売してきたが、代理店方式を採用する他の国内外メーカーに押されて経営成績が下降していた。そこで、A社も代理店方式を採用することにしたが、主だった代理店は他の国内外メーカーに抑えられてしまっていた。そこでA社は、代理店に供与する利益率を他社よりも有利なものとし、A社はほとんど儲からないくらい魅力的なオファーを代理店に提示し、A社との契約に切り替えるように促した。数年後には、主だった代理店のほとんどがA社の手中となり、かつA社が直接に最終顧客にアクセスできるような状態になっていた。そこで、A社は、顧客にアクセスすることができるようになったこのタイミングで、代理店販売から直営販売に戻し、代理店契約を破棄してしまった。A社はこれまで代理店に供与していた利益を計上できるようになり多額の利益を確保することができた。

A社は代理店の商圏を乗っ取ることに成功しました。これを日系企業に例えると、「総経理による乗っ取り」にあたると思います。日系企業の中国子会社では総経理など重要なポジションが中国人ということもあると思いますが、彼らに頼るばかりで日本側が何もしないと、あっという間に乗っ取られてしまう可能性があります。その総経理に頼ることで大きな利益がある(日本人を常駐させないなどでコストが抑制できる)などのメリットがあるかもしれませんが、それは短期的なもので、乗っ取られてしまえば、そんな利益はすぐに失われてしまうと思います。目先の利益を追わずにきっちりとマネジメントするという姿勢が大切と思います。せめて、中国決算書を読みこめるようにはしておいてください。

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