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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第二十八計 上屋抽梯

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第二十八計「上屋抽梯」です。

第二十八計「上屋抽梯(shang4 wu1 chou1 ti1)」
直訳すると「母屋にかけた梯子を抜く」となります。いわゆる「梯子を外す」です。とくに説明は必要ないかと思います。日本でもビジネス、政治、日常の付き合いなど様々な分野でこの事例があると思いますので、紹介する必要もないくらいかと思いますが、これも「踊らされる方が悪い」という感覚だと思います。

中国ネットの事例を紹介します。

機械メーカーであるX社は、A市最大の機械販売商社であるY社を代理店とする提携をすることができた。X社の李総経理はこれでA市の市場に参入することができるとほっとしていた。しばらくした後、A市で大きな公共入札があり、Y社からX社に商品納入を引き合いがあった。しかし、X社に商品が発注されることはなかった。このような入札や商談が数回続いた後、李総経理はY社に利用されているだけではないかとの疑念を持った。Y社はX社商品のみを扱う独占契約ではなく他社の商品も扱うことができたため、X社の価格を他社からの仕入価格の交渉材料にされているのに過ぎないのでないかというわけである。李総経理はこれに報復するため、この計を使うことにした。後日、大きな政府入札案件があった際、Y社は今度こそX社の商品を仕入販売すべく、X社に価格について問い合わせしてきた。李総経理は魅力的な価格をY社に伝え、Y社はそれで入札し見事受注することができた。落札後、Y社はX社に落札した旨の連絡をし、納品について具体的な詰めを行うと提案した。しかし李総経理は、「その商品は別の商談ですでに販売してしまった。申し訳ないが次の納品まで3ヶ月かかる。貴社は独占代理店ではないので、致し方ない」と回答した。入札要件によると1か月以内に納品しないと、落札は破棄され、かつY社は指名停止処分となり、大きな打撃を受けることになる。Y社は信用失墜と実害を回避すべく、X社の独占代理店となる契約を締結することを選択し、かつ価格はX社に非常に有利な内容であった。

これまた、Y社が騙された感がありますが、軽々しくX社を信用してしまったことに原因があるとなるでしょう。また、第二十二計の関門捉賊も、有利な状況を作り出して相手がこちらの条件を飲まざるを得ないようにするというような計でしたが、このような計が三十六計の中に複数みられるのは、勝てる条件を作ることで勝てる戦いに持ち込む、つまり勝てる戦いしかしない、兵法の基本原則に忠実であるといえると思います。
これらの計に対抗するためには、何でもいいので一つだけでも勝てる要素を保持しておくことが大切と思います。上記のケースであれば、政府高官とのパイプを持っておけば、これを抱き込んで、この入札を履行しないと、X社の商品はどんな商社が扱おうとA市政府は調達しないなどの圧力をかけるとかの対策が打てるかと思います。何か一つでも突破口があれば知恵次第で対抗可能かと思います。

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