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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第二十七計 仮痴不癲

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第二十七計「仮痴不癲」です。

第二十七計「假痴不癫 (jia3 chi1 bu4 dian1)」
直訳すると「わざと知らないふりをしてとぼける」となります。能ある鷹は爪を隠すにも似たニュアンスです。日本でも織田信長がうつけを装って親族間の厳しい競争を免れて生き残り、大成したなどのことがあります。中国の故事には、わざと愚かな王を演じ、それを命を賭して諌める忠臣が現れるのを待った楚王の例などが挙げられます。リーダーは演技が上手ということとそれを継続する粘り強さが必要ということでしょうか

中国ネットの事例を紹介します。

X社は企業内業務システムの新規更新を考えていた。それを聞きつけた数社がX社に営業をかけるも、X社の担当者の劉部長は、元材料購買担当者で最近システム部門に異動してきたが、購買部時代はコストカッターで知られ、材料納入業者は厳しい取引を強いられていた。そのため、今回の業務システムの更新案件においても厳しい条件が付けられており、各社は営業にしり込みしていた。そこでA社は劉部長がシステム部に異動して間もないことに目を付けある計を思いつき、システムのハード販売については劉部長の要求通りの大幅な値引きを受諾することにした。ハード納品後にはソフトウェアのインストールなどの業務が控えているが、A社は劉部長との打ち合わせの中で、A社でないとうまくインストールできないような仕様を採用するように誘導していた。ハードの契約が履行された後、劉部長はA社にインストールの見積もりを依頼したがあまり高額のため、他のベンダーで対応することした。しかし、他のベンダーでは対応できない仕様のため、高額であるもA社に発注せざるを得なかった。

劉部長にとっては騙された感があるかもしれないですが、確認しない劉部長が悪いということになると思います。もちろん面子がつぶれた劉部長の復讐も考えられますので、A社はそれへのケアが必要になると思いますが、ともあれ、騙される方が悪いという感覚かと思います。ちなみに材料購買においても、その品質チェックは購買側にあるというのがグローバルな感覚で、日本とは逆です。日本は製造側にあって、しっかりチェックしてから納品してこい、という感じですが、中国では逆です。もちろん不良だったので返品し代金は次の取引に充当などの対応はしてくれますが、不良材料を使ったことによる時間のロスなどの損害まではカバーしてくれません。相手の立場に立ってというスタンスで対応してくれることはまれですので、日本企業と取引したことのない中国系企業と取引する際には、日本の感覚を教えるか、とことんチェックするかが必要かと思います(ちなみに、中国系企業のホームページに「当社はこんな企業と取引してます」と言って大企業のロゴが掲載されていたりします。こんな大企業と取引するなら大したものだとなりがちですが、嘘とは言いませんが、どんな少額取引でも取引実績としてアピールしますので裏とりが必要です)。

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