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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第二十計 混水摸魚

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第二十計「混水摸魚」です。

第二十計「浑水摸鱼(hun2 shui3 mo1 yu2)」
直訳すると「水を濁らせて魚を取る」となります。水をかき混ぜると魚が混乱しますので、それに乗じて魚を取ってしまうということで、火事場泥棒のような意味になります。第五計の趁火打劫と同じような意味になりますが、趁火打劫は外部で混乱を起こすこと、浑水摸鱼は内部で混乱を起こすことと使い分けられることもあるようです。いずれも混乱を起こしてどさくさに紛れて丸く収めるというようなことでしょうか。

中国ネットの事例を紹介します。

・周社長はある部品の購買を計画していた。A社はそれを聞きつけ商談を申込み価格を提示したが、周社長が満足する価格ではなかった。そこで、周社長はA社に価格を下げさせるべく、部下に指示し、A社のライバル業者の名前でA社に偽の電話をさせた。部下は「当社は周社長の会社から見積もり依頼をいただいているが、いくらで出したらいいかわからない。当社に声がかかる前に貴社にも声がかかっていたようであるが、いくらで提示したのか?」とA社に問い合わせをした。A社は提示した価格よりも高い価格で回答しライバル業者(実は周社長の部下)を牽制したが、内心は焦りライバル業者が受注する前に商談すべきと周社長に再度の商談を要請した。結果、A社は前回提示よりを下回る価格を提示し、それは周社長が満足する価格であった。

相見積を取ってサプライヤー同士を競争させるのはよくありますが、偽の電話で混乱させるのアイデアを思いつくのもある意味で知恵が利きますね。
また、中国の大手家電量販店で値引き競争が勃発したことがありました。京東というネットショップ大手が仕掛けたようですが、ある分析記事によると、京東は値下げ戦争を宣言する前に販売価格を順次上げしており、「値下げ幅」が大きく見えるように細工をしていたようです。京東が仕掛けた競争によって国美などのほかの大手量販店も値下げ宣言し大きな注目を集めたようです。京東はネームバリューアップのためにこれを仕掛けたのか、ライバルを蹴落とすために仕掛けたのかは不明のようですが、京東のサイトの知名度が上がったのは事実のようです。

交渉中に無理難題をぶつけてきたり、それこそ戦争責任のカードを持ち出したりするのも、こちら側を混乱させようとする手かもしれませんので、「向こうは焦っているな。こちらのペースだ」ということで、落ち着いて対処いただければと思います。

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