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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第十九計 釜底抽薪

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第十九計「釜底抽薪」です。

第十九計「釜底抽薪(fu3 di3 chou1 xin1)」
直訳すると「釜の下の蒔を取り除く」となります。釜を炊いているときに火加減の元である蒔を取り除くと火が弱まりますので、相手の力の源泉を削ぐということで使われます。また、根本的な問題を解決するという意味でも使われます。第十八計擒贼擒王にも通じます。

中国ネットの事例を紹介します。

A社では馬課長と陳課長が同時期に部長に昇進する予定であった。しかし、業績悪化のため、昇進するのは1名だけになるとの噂が社内を駆け巡った。馬課長は能力は同等であると思っているが、陳課長のほうが年長のため、陳課長が昇進すると思い、半ばあきらめかけていた。
ある日、馬課長のもとへ陳課長の部下の王係長がやってきた。二人は知り合いでよく社内で休み時間に卓球をする間柄であった。王係長は品質管理部に異動することを望んでいたが、品質管理部の部長はそれを認めていなかった。また馬課長は王係長とその上司の陳課長のソリが合わないことも知っていた。卓球をするうちに、馬課長は入社当初に上司から言われた言葉を思い出していた。「君は向上心がないな、君が私のポジジョンを担ってくれないと私は昇進できないよ」・・・。
馬課長は、この言葉を思い出すとともに昇進のためのあるアイデアを思い付いた。「もし陳課長の後任がいなければ、陳課長は昇進できないのではないか」・・・。
馬課長と品質管理部部長の関係は良好で、馬課長のメンツを立て、品質管理部部長は王係長の品質管理部への異動を受け入れることになった。陳課長の直属の部下がいなくなり、折からの不況のため、人員補充もなかったため、陳課長は課長の地位にとどまり今の業務を継続することになった。結果、馬課長は部長に昇進することができた。

第十八計に似たケースですね。キーポイントの攻めて結果を得るというパターンです。
このような用法のほかに、風評でブランドイメージを損ないライバルを蹴落とすというパターンもあるようです。ネット社会で風評デマが拡散しやすくなっていますので注意が必要です。日本ではネガティブキャンペーンなどの風評被害への対抗として訴訟などが考えられますが、中国ではなかなか難しいものがあります。中国で創業した日本人社長も「目立つとロクなことがない。目立たないことが大切」とおっしゃってました。それが一番の対策なのかもしれません。

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