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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第十八計 擒賊擒王

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第十八計「擒賊擒王」です。

第十八計「擒贼擒王(qin2 zei2 qin2 wang2)」
直訳すると、「賊を壊滅させるならまずリーダーを捕えろ」という意味です。将軍を殺せば敵軍は乱れるので打ち負かせるといったことですね。現代風だと「問題を解決するためにはその真因を把握すべき」ということでも活用されます。

中国ネットの事例をご紹介します。

李社長はある入札案件の準備をしていた。相手企業のキーマンへの根回しも終え、落札するのを待つばかりの段階まで漕ぎつけていた。そんなある日、李社長に一本の電話がかかってきた。電話の相手はキーマンである。「上司が推薦するY社に落札させなければならなくなりそうだ。実はY社の営業部長は上司の甥っ子である」。李社長は突然、案件を失注する危機に直面することになった。そこで、キーマンからその甥っ子の孫部長の連絡先を聞き出し、どう対処するかを考えることにした。
いろいろと孫部長の情報を集めてみると、Y社に入社しすぐに営業部長に就任するなどして優秀な人材であることが分かった。また、賭け事が好きで負けが込んでいるとの情報も得ることができた。そこで、一緒に麻雀をすることにし、わざと彼に勝たせて、上機嫌になったところで、食事に誘って本題を切り出した。「孫部長、あなたは大変に能力のある人材である。実は当社は副総経理を探している。今の給与の2倍の待遇であなたをスカウトしたい。入社してくれないか」。1か月後、孫部長は転職し、この入札案件も李社長の会社が落札することができた。

落札するためのキーが孫部長だったので、それをヘッドハントするという事例です。ダイレクトにキーポイントにアプローチする胆力に驚きます。正攻法では商売はうまくいかないことも多いということでしょうか。日本的にはQCDがよければ受注できると思いがちですが、そうではないようです。
また、逆に、孫部長を抜かれたY社は大きな損失を被ったと思います。現地日系企業も引き抜かれて困ったご経験をお持ちのところが多いかと思います。自分勝手に退職していった社員に対しては、「このやろう」という思いで、二度と付き合うか、というのが多くの日本人の感覚かと思いますが、中国企業の場合、退職した社員と引き続きコンタクトをとり、一緒に商売するなどして利用できるところは徹底的に利用するようなスタンスで付き合いを継続するようです(すべてがそうではないですが)。
転んでもただでは起きないといいますか、感情よりも利益が優先するようです。

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