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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第十七計 抛磚引玉

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第十七計「抛磚引玉」です。

第十七計「抛砖引玉(pao1 zhan1 yin3 yu4)」
直訳すると、「レンガを投げて玉を得る」となります。いわゆる「エビで鯛を釣る」というニュアンスでしょうか。転じて、議論のタタキ台となるアイデアを指すこともあるようです。軍事的には、「囮」を使うということになります。十六計の欲擒故纵にも通じる計ですね。

中国ネットの事例を紹介します。淘宝(タオバオ:ネットショップ大手)とeBay(ネットオークション大手)の戦いです。

淘宝が設立された当時、中国ではeBayが強大であった。設立されたばかりの淘宝を封じ込めるべく、eBayは大量の広告(主にネット広告)を展開した。また、広告を表示するネットページの業者に対して淘宝の広告を扱わないように排他的な条項を要請し、通常のネット広告費の3倍程度の費用を支払っていた。これに気付いた淘宝は、広告費がさほどかからない小規模のネットページに広告を出して、これに刺激されたeBayがそのネットページの淘宝の権利を買い取るため、さらに多くの広告費を使うように仕向けることにした。淘宝はこれを繰り返し、eBayの広告用資金が枯渇したところを見計らって、ネットではなく、バスやエレベーターなどに広告を出した。eBayにはこれらの媒体を買い取るだけの資金がなく、かつ、広告効果は伝統的なこれら媒体のほうが高かったため、結果、淘宝は生き残ることができた。

淘宝は今では世界最大手のネットショップ企業ですが、創業時には知恵を絞って生き残りを図っていたようです。淘宝にとっては、あまり効果のないネット広告は広告効果を狙ったのではなく、あくまで囮で、eBayの体力を消耗させるのが目的だったことになります。企業体力があるとこれの誘いに容易にはまり、墓穴を掘る可能性がありますので、ご注意ください。

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