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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第十五計 調虎離山

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第十五計「調虎離山」です。

第十五計「调虎离山(diao3 hu3 li2 shan1)」
直訳すると、「虎を山からおびき出す」となります。虎を退治するのに山の中だと虎に有利なため、こちらが有利な平地におびき出して退治しようというものです。転じて、兵法では相手有利の状況で真正面から突撃するのは愚策として、策を講じてこちらに有利な状況を作り出して対処しようとなっています。攻城戦で、城を城壁の外から罵詈雑言を浴びせておびき寄せたり、水攻めや兵糧攻めで城から打ってでるように仕向けるなどがあげられます。

中国ネットのケースをご紹介します。

■ケース①
A企業がB企業を買収しようと交渉をしていた。B企業の社長は自社製品がこの地域では品質が最も良く、また輸入品よりも価格競争力があることをよく理解しており、単に売却するだけでなく、A社に投資できる権利を付与するように要求した。A社社長は投資されることを嫌い、交渉は物別れに終わった。A社社長は本意ではないものの次善として、最近設立されたC社工場の製品を購入することを検討する必要があるとして、C社社長と面談の約束を段取りした。この面談がセットされたことを知ったB社社長は大いに慌て、投資の権利を付与する要求を撤回し、当初の条件での売却を承諾した。
■ケース②
A社はあるERPソフトウエア企業である。このたび某会社の入札に参加することにした。A社のほかには、大手ERP企業のB社も参加していた。A社担当者の李課長はこのままでは勝ち目がないと思い、某会社の担当者の周部長に面談を申し入れ情報収集をしようとしたが、周部長は警戒し面談することができなかった。そこで、李課長は、周部長の行動を調査し、周部長が終業後に卓球場で卓球を楽しむことを突き止めた。そこで、偶然を装って卓球場で待ち伏せ、一緒に卓球をし親しくなることに成功した。周部長曰く「ほぼB社に発注が決まっている。貴社の製品も素晴らしいが、B社が参加している以上、チャンスはない」とのことであった。そこで李課長は、B社を辞退させるべく一計を案じ、大手外資系企業に勤める友人に電話をし、入札と同じ日にB社責任者に来訪するように電話をさせることにした。B社は外資系企業の案件が多額であることに魅力を感じ、某会社の入札を辞退することにした。このため、A社は某会社の案件を落札することができた。

ケース①は、相見積もりを取ったりするなど、交渉の駆け引きではよく使われる手法と思います。ケース②はちょっとうまく行き過ぎのような気もしますが。ただ、税務調査などでも、あっちを立てればこっちが立たずの状態に追い込まれることがあります。国税と地税の同時税務調査で、国税の言い分をのむと、地税への納税が減少するなどのことがあります。国税と地税は全く違う組織のため、お互いに調整などしてくれませんので、両税務局の利害が相反するような取引では対応に注意が必要と思います。

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