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「兵法三十六計」から逆算する中国ビジネスで失敗しないコツ 第十一計 李代桃僵

      2017/01/19

中国人に騙されたというお話しをお聞きします。ただ、当の中国人は騙したつもりもなく何事もなかったような顔をしています。このようなギャップが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
いろいろと見聞きすると、原因の一つに「中国には兵法三十六計によるビジネスが根付いているが、日本ではそうでもない」というのがあるようです。
文化の違いで思わぬ苦労をすることがあります。グローバルビジネスにおいては、相手国の文化や歴史も学び、相手を理解することが大切であると言われます。お互いがお互いを理解して、よいビジネスパートナーになっていただければと思います。

今日ご紹介するのは、第十一計「李代桃僵」です。

第十一計「李代桃僵(li3 dai4 tao2 jiang1)」
直訳すると、すもも(李)が桃の身代わりになる、となります。ここから、何かを犠牲にして大きな成果を得る、とか誰が誰かの成功の犠牲になるというようなことに使われます。
古代の物語では、1頭ずつの馬の競争を3回して勝敗を決めようというゲームの時に、相手の3頭のうち、能力が高い馬に、こちらの馬の能力のもっとも低い馬を当て、わざと負けておき、次のレースで相手の中の馬にこちらの上の馬を、最後に相手の下の馬にこちらに中の馬を当てて、2連勝し、結果2勝1敗で勝利を得るというものが紹介されています。現実的にはなかなかうまくいきませんが、戦略的ではあります。

中国のネットの事例を紹介します。

営業担当の王さんが、A社から注文を受け、1㎏500円で見積もり受注を獲得した。しかしこの商品は本来1㎏1,000円であったため、これが判明し問題となった。上長からは顧客に1,000円での再契約を依頼するように指示されたものの、A社担当者は稟議にかけることは自分の失態となるため、再契約を了承しなかった。これに対して、王さんは顧客との関係性を最重要と考え、この差額損失を自ら支出し埋め合わせすることにし、顧客には予定通りの期日に商品を納品した。その後、顧客はこの事実を知り、王さんは顧客から大きな信頼を得て、取引を拡大することができた。

今回の事例は、騙すというようなニュアンスではないですが、義理にあつい中国人の一面も知っていただくということでご紹介しました。「お前のミスだから自腹切るのは当たり前だろ」とはならないのが、おもしろいですね。
ところで、グワンシー(「関係(关系)」)という言葉を聞かれたことがあると思いますが、一度、固い関係を結ぶことができれば、その後のビジネスでは大きな力を得ることができるというのがあります。事例では、自腹を切ったあと、信頼関係ができてビジネスがうまくいったように紹介されています。中国では古代から政治などの社会関連も含めて環境変化が激しいため、短期的な利益獲得が重視される傾向にはありますが、人と人との関係は長期継続を重視するようです。

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