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中国子会社の事業を見直しましょう~中国子会社での2つのシミュレーションのご提案~

   

米中摩擦など中国におけるビジネス環境が大きく変化しています。
また、不動産バブル崩壊も相変わらず心配されています。つい先日も中国版総量規制(不動産業界に対する銀行からの融資を規制するもの)が施行され、住宅価格への影響が懸念されています。

巨大な人口を背景にした市場としての魅力や、多くの低賃金労働者やサプライチェーンをベースにした製造拠点としての魅力はまだまだあるとは思いますが、コロナのこともあり、中国でのビジネス不確実性が高まっています。
さらに、EVや自動運転、DXなど、新技術を利用した中国発の業界再編も有り得る状況です(既存自動車業界の再編など)。
つまり、何が起こるのか見通しにくいに状態になっていると言えそうです。

このような状況下では、中国子会社の事業計画をしっかりと見直しすることが肝要かと思います。

そこで、以下の2つのシミレーションを提案します。
シミュレーションを分析し、何かが起こる前にしっかりと対処策を準備していただければと思います。

 

1.中国子会社清算シミュレーション

①主な内容
・ご承知のとおり、中国では日系子会社などの外資系企業は法的整理が実質的にできません。つまり、債権者と協議しながら、原則全ての債務を支払った後に清算することになります(日本親会社からの貸付金や買掛金は放棄してもらっても大丈夫です)。
・日本親会社以外の第三者に対する債務を弁済する際に、子会社単独の資金だけでは不足する場合、その不足分は親会社が送金することになります。この金額が多額だと、親会社の経営にも影響を与えます。本シミュレーションでは、親会社の負担なしに清算できるのかの検証を行います。
・弁済しなければならない債務は、子会社の貸借対照表の負債の部に明記されているものだけではありません。いわゆる隠れ債務がある場合があります。代表的なものは、従業員解雇保証金です。本シミュレーションでは、これら隠れ債務の反映も行います。
・また、日本親会社からの貸付金や買掛金が放棄される場合、税務的には、中国子会社で利益が計上されます(債務免除益)。利益ですので課税対象となります。十分な累積赤字(税務上の繰越欠損金や今期の赤字)がないと、思わぬ納税が発生します。この納税資金が子会社になければ、日本親会社からの送金が必要です。本シミレーションではこれも分析対象とします。

②成果物
・中国子会社の清算貸借対照表、親会社からの送金予想額、清算に際して予想される課題一覧などをレポートにまとめ報告します。

 

2.中国子会社の中長期決算書シミレーション

①主な内容
・今は業績が良くても、今後もそれが継続するかどうかは分かりません。将来、業績が急速に落ち込んで貸借対照表が債務超過状態になると、子会社を清算する際に、親会社が多額の送金をしなければならないことにもなりかねません。日本親会社としてどこまで負担できるのかを確認しておくことは、リスク管理としては欠かせません。
・本シミュレーションでは、将来10年程度の損益計算書の予想(得意先別売上高の変化、利益率の変化、コストの上昇など)を行い、貸借対照表やキャッシュフロー計算書がどう変化するかをシミュレーションします。経営陣とディスカッションしながら、様々なパターンでシミュレーションします。

②成果物
・中国子会社の将来決算書シミレーション、シミュレーションの前提条件などをレポートにまとめて報告します。

 

転ばぬ先の杖として、本シミュレーションを活用ください。

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