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中国進出、企業の成功と失敗の分かれ道とは。アタックス・諸戸和晃の情報ブログ

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中国で逮捕されないために、法律を守り慎重に行動しましょう。中国は外国です。

      2019/06/17

このカテゴリーでは、中国の税金、労務、会計などに関する基礎知識を解説しています。

今回は「スパイ行為などで逮捕されないように」について解説します。
最近のニュースで、大手商社の一角である伊藤忠商事の社員の方が、1年近く拘束されていることが明らかになりました。
また、この事案以外にも複数の日本人が拘束されています。

拘束の要因は様々でしょうし、また明らかにもされていないとのことですが、要因の一つになんらかの法律違反があったのだろうことは推察されます。
法律違反を犯せば日本でも逮捕されますので、中国に限った話ではありません。
ただ、外国の法律に関する情報が少ないため、知らず知らずのうちに法律違反をしてしまっていることもあろうかと思います。

よって、外国で逮捕されないためには、過去の事例に関する情報と最低限の法律知識は持っておかれたほうがいいかと思います。

1.過去の拘束事例

中国で日本人が逮捕拘束された報道や私が知っている事案などをまとめると以下になります。下記のような行動は控えられたほうがよろしいかと思います。
・現地で知り合った外国人から荷物を預かり、それに麻薬らしきものがあり拘束
・温泉開発のために各地を測量していて拘束
・現地で商売をされている方が、輸入品の関税を納付漏れしていたとして拘束

関税のパターンは現地で商売をされている方のケースなので、出張者は該当しないと思いますが、現地総経理は注意が必要です。税関は逮捕権がありますので、関税漏れは密輸に相当するとして、逮捕されてしまいます。金額にもよりますが、ハンドキャリーなども気を付けていただいたほうがいいかもしれません。

また、観光地以外であちこちで写真を撮るのも控えた方がいいと思います。市内でも軍関連の施設はありますので、偶然にもそれらが写ってしまうとやっかいなことになるかもしれません。
私が以前に勤務していた北京の会計事務所は軍が管理するビル内にありました。普通のビルなので機密性はないと思いますが、こんな感じで市内にもあちこちに施設があります。ご注意ください。

2.法律知識

①地図の持ち出しは注意
古い法律ですが、2015年11月11日に「地図管理条例(国務院令第664号)」なる法律が成立しています。2016年1月1日から施行されています。
主な内容を以下にご紹介します。
本条例に違反すると罰金や刑事責任を問われることがあります。出入国の際に地図を持っているとややこしいことになるかもしれませんので、携帯されるのは控えた方がよろしいかと思います。

・本条例の定めにより、社会に対して公開する地図は主管部門の審査を受けなければならない。街区図や地下鉄路線図など簡易なものは除く。
・いかなる組織及び個人は、規定に合致しない地図を出版、展示、掲載、販売、輸出入してはならない。また、出入国時に規定に合致しない地図を携帯若しくは郵送してはならない。その他、輸出入される地図は、税関に審査対象物として提出しなければならない。
・本条例に違反する行為を発見した場合、いかなる組織及び個人は通報する権利を有する。本条例に違反した場合、最高で20万元の罰金、犯罪を構成する場合は刑事責任を追及される。

②反スパイ法
また、2015年10月に「反スパイ法」なる法律が成立しています。国家安全法という法律もあります。
主な内容を以下にご紹介します。
全四十条からなりますが、国家安全機関の活動を保障する内容などが定められています。
スパイ行為には具体的な記述がありませんからどうしても、現場判断が入ることになります。前述のとおり、大都市市内でも軍関係の敷地は結構ありますので、やたらめったら写真を撮るなどの行為はやめたほうがよいと思います。

・スパイ行為を防止、制止および処罰し、国家安全を維持するため、憲法に基づいて本法を定める(第一条)。
・スパイ行為とは以下のことを指す(第三十八条)。
(一)スパイ組織及びその代理人等が、他人に対して資金援助や指示をして実施する、或いは国内外機構、組織、個人が結託して実施する、中華人民共和国の安全に危害を加える活動。
(二)スパイ組織に参加する、或いは、スパイ組織及び代理人の任務を受ける行為
(三)スパイ組織及びその代理人等以外のその他の国外組織、機構、個人が実施或いは指示して行わせる、また資金援助して他人に行わせる、或いは、国内機構、組織、人が結託して実施する、窃盗、偵察、買収或いは違法な国家機密の提供や情報の提供、或いは国家業務人員の裏切り行為を策動、誘惑、買収する行為
(四)敵のために攻撃目標を指示する行為
(五)その他スパイ活動の実施
・国家安全機関は反スパイ業務を遂行するために、法によって、捜査、拘留、尋問、逮捕および法が規定するその他職権を行使することができる(第八条)

3.まとめ

これらは知らなかったではすまされないので、勉強が必要です。
まとめると、以下になります。中国語に堪能で中国生活が長い方以外の方は、特にご注意いただいたらと思います。
・1人では入出国や活動はしない(複数人で動く)
・アテンドの中国人が「問題ない」と言っても慎重に行動する(法律知識のない中国人はたくさんいます)
・微妙は感じのお土産は現地で捨てる(相手には申し訳ないですが、拘束されてはかないませんので)
・友達から頼まれても日本に「お土産」は運ばない
・中国の法律に触れるような物品は持参しない
・写真撮影、地図には気を付ける
・あまり辺鄙なところにはいかない。仕事上どうしても行かないといけないなら大人数で。

私もそうですが、中途半端な「慣れ」が怖いと思います。
中国生活数十年とか配偶者が中国人という方なら知識が豊富などのことからリスクは少ないと思いますが、2、3年赴任した方や多くの出張をしている方は、「中国は慣れているから大丈夫」となって結構危ないようです。
慎重に行動していただければと思います。

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