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赴任マネージャーのための決算書活用講座(7) 「貸借対照表を活用するポイント」

      2019/02/21

前回は「貸借対照表とは何か?」についての投稿しました。今回は「貸借対照表を活用するポイント」です。


7.貸借対照表を活用するポイント

(1)日本親会社などで診るポイント
ROA、自己資本比率、流動比率、などの経営分析の言葉を耳にされたことがあると思います。少し説明すると、ROAは総資産に対する利益の割合、つまり、その「事業の利回り」を表します(財務にとって最も重要な指標)。
ただ、中堅中小企業海外子会社に赴任したマネージャーにとっては、これら経営分析はあまり重要ではないと考えます。
(2)赴任マネージャーが診るポイント
赴任マネージャーが診るべきポイントは以下だと考えます。
①資産は実際にあるのかないか、ある場合はいついくらのキャッシュになるか、ない場合はなぜないか?
・売掛金
海外で掛け売りすることはほぼ無いと思いますが、する場合は、回収リスクが高くなりますので、得意先別の売掛金の明細を見て、約定どおり入金していない場合は、即回収交渉をするなどの対応が必要になります。
・在庫
在庫は、貸借対照表に載っている金額(帳簿残高と言います)と実際の残高にギャップがありがちです。いうまでもなく、在庫は販売や製造活動を通して販売され、代金回収を通して、キャッシュになります。そのキャッシュで次の仕入れや経費を支払うことになります。在庫がないのは、このサイクルが回らないことになりますので、キャッシュが足りなくなることにつながります。
また、適切な在庫管理ができていない企業は、得意先別や商品別の限界利益理(率)が測定できないことが多いので、経営施策を誤る可能性があります。
・固定資産
機械や工場建物ですが、海外子会社の場合は、最低限の投資で運営しようとしていると思いますし、物がでかいので、盗難のリスクも低いので(盗難対策は必要です)、売掛金や在庫に比べると管理の優先順位は低いと思います。それでも、あるかないか、状態はどうか、稼働はどうか、などは通常業務中に気にしていただければとおもいます。
②負債
海外子会社の場合は、親子ローンで調達することが多いでしょうから、あまり気にすることはないと思います。しかし、毎月の返済額は、毎月稼がないといけないので、返済額は頭に入れておくとよいと思います。

資産は必ず、キャッシュとして回収されなければなりません。このため、赴任マネージャーにとっては、回収できるかどうかに常に目配りする必要があると考えます。たとえ、利益率が高い取引でも、販売代金を回収できなければ、タダで商品を譲渡する「寄付行為」ですので、ビジネスとは呼べません。

次回は、「資産をきちんと管理するための方法」について投稿します。

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