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赴任マネージャーのための決算書活用講座(5) 「変動損益計算書の分析の手順とポイント」

      2019/02/21

前回は「変動損益計算書」のフォームについて投稿しました。今回はそれを使いこなすポイントを解説します。

5.変動損益計算書の分析の手順とポイント
変動損益計算書をパっと見て、次の手順で分析を進められると良いと思います。
(1)黒字か赤字か
・計画があれば、それと比べてどうかなどの比較も必要です。
(2)売上高の推移
・売上高の推移や計画とのギャップを見ます。
・過去より減少していたり、計画通りいっていない場合は、得意先別や商品別、営業マン別など分解して分析し、問題個所を特定します。
(3)限界利益(率)の状況
・限界利益は、売上高から変動費を引いた後の利益の概念です。この限界利益(率)は、「顧客から認められた価値の割合」と言ってもいいと思います。私の経験で恐縮ですが、私は中国赴任前に、日本国内で長く企業再生支援業務をしておりましたが、業績悪化企業は、すべて共通して限界利益率が年々悪化していました。限界利益(率)が悪化すると、その下の給与などの固定費を賄うことができなくなるため、赤字に転落しやすくなります。限界利益(率)が悪化するのは、以下のような理由が考えられます。限界利益(率)は、黒字確保のために重要な指標ですので、率をキープできるよう対策を打っていただければ思います。
①材料の値上がり
②材料の歩留まり悪化
③販売単価の値下げ
④利益率の低い商品の売上高が、全体に占める割合が増えた
⑤利益率の高い商品の売り上げが減少した。
⑥利益率の低い得意先の売上高が、全体に占める割合が増えた
⑦利益率の高い得意先の売り上げが減少した。
なお、上記のうち、④~⑦をやろうとすると、商品別や得意先別の限界利益(率)が測定できるようになっていないといけません。
これには、在庫管理や原価計算がきちんとできていることがベースの制度として必要になります。
(4)固定費の推移
・投入された固定費は売上高や限界利益の増加となって回収されなければなりません。過去月との比較をするなどして、費用の効果測定や無駄な経費支出がないかをチェックします。
(5)損益分岐点売上高(BEP)
固定費を限界利益率で割って求めます。これは文字通り赤字と黒字の分岐点の売上高です。この数字は聞かれなくても言えるようにされるといいと思います。BEPは低い方が黒字になりやすいので、これを下げるためには、限界利率を上げるとか固定費を下げるといったことにつながる施策が必要になります。

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